銃身寿命 - 銃身

2005年 2月 5日 築地
更新 2005年 2月20日 築地

「少年易老学難成」
少年(しょうねん) 老いやすく(おいやすく) 、学成り難(がくなりがた)し。
まるで私自身の事を指摘されたような言葉です。
私は来年で60才です、年月の過ぎるのは早い物で正しくあっという間に過ぎていった年月です。60才と言うと公務員でも、普通の会社の勤め人でも定年を迎える年です。
自衛官なら4年前に定年を迎え、毎日が日曜日と言うお気楽な毎日を過ごして居たに違い有りません。しかしながら、私は自営業者ですから、幸か不幸か定年はありません。
同級生達が定年を迎えると、何となく残りの人生と言うか、残りの寿命を考えてしまいます。「憎まれっ子、世にははばかる」と言う言葉もありますが、私も同業者から見れば「憎まれっ子」でしょうが、皆さん達ユーザー、あるいは読者の方達から見ればまた違った視点で私を見ておられるかも知れません。
そうすると短命なのだろうか?等と残り少ない人生をカウントしてみたくもあります。
人間には寿命があり、これだけは誰も避けて通ることは出来ません。
人間だけでなく、この世に存在するあらゆる物に寿命があります。
ここまで書くとコラムのテーマが読めてきますね。
そうです、今回は銃身寿命についてお話します。別に私の寿命について話してもしょうがないですからね、銃身寿命については大体の概念は解っているのですが、一般の人達に解るように説明できる資料はないのです。そうした資料を作るには実際に銃身を数本捨てなければ成らないし、第一相当な装弾を使い捨てなければ成らず、余程のお金持ちで暇人で出来ないとやらない実験です。
しかし、ブローニング社のホームページを覗いたら面白いデーターが開示されていましたのでご照会します。以下のアドレスに飛べば図表を見られます。

http://www.browning.com/products/features/detail.asp?id=79

取り敢えず私が図表だけを切り抜きましたのでそれをご覧頂いても構いません。

銃身寿命

この図表の左側をご覧ください、数字が1から4迄ありますが、これは弾の集弾をインチで示してあります。工場での試射は普通3発で行いますが、我々ベンチレストシューターは5発撃ちでグルーピングを言います。まあ、命中精度のレベルから判断して5発撃ちのグルーピングだと思います。図表の下に書かれた数字は弾数です。

この実験に使われた装弾は223WSSMと22-250装弾の銃身寿命の違いを説明した資料です。
これはブローニング社のHPですから、当然223WSMの性能が良いと言う事を言っている訳です。しかし、どちらも約4000フィート出る超高速弾ですから、こういう弾を使うと銃身寿命は極めて短いのです。
黄色とグリーンの線で示された線をご覧ください。下の数字の弾数、800発辺りで線は大きく上に上がっていますよね。弾数1000発では大きく上に4インチを切って上がっています。
4インチと言うことはグルーピングは10cmですから、これでは銃身寿命は尽きたと判断されますね。それとすると223WSSMは1500発位までは命中精度が保たれて居ると言うことを言いたい訳です。でも皆さんの感覚からすれば、1500発と言う数字も意外に感じられるのではないでしょうか?

メーカーにすれば、「1500発」保つと言うことを言いたいのですが、皆さんの感覚からすると「1500発しか」保たないと思われるのではないでしょうか?

案外銃身寿命って保たないでしょう、実は戦艦武蔵の砲身は500発しか保たないのです。
銃身寿命は弾の初速、言い換えれば火薬の圧力で大きく影響されるのです。
弾頭の初速が早いから「摩擦」で銃身が摩耗するのではなくて、弾頭の初速を上げるために火薬の圧力を高くすると、火薬の粒子が銃控内で猛烈なスピードで動き回るために、薬室近辺で銃控を損傷してしまうために銃身の寿命が尽きてしまうのです。
これを「エロージョン」と言います。
でもこうした超高速弾の銃身寿命は短いのですが、皆さんが使われるような初速が2800フィート程度の308や、30-06なら銃身寿命は6000発位ありますからご安心下さい。

さて、私の寿命も223WSSMを使う銃身にたとえれば、すでに1500発は撃ち尽くした銃身と同じかも知れません、さて後何発分、命中精度が残っているのでしょうかね?

子曰、吾十有五而志干学。三十而立。四十而不感。五十而知天命。六十而耳順。七十而従心所欲、不踰矩。

子 曰く 、 吾 十 有 五 にして 学 に 志す 。 三十 にして 立つ 。 四十 にして 惑わず 。 五十 にして 天命 を 知る 。六十にして 耳順 う。 七十 にして 心 の 欲する 所 に 従う 。 矩 を 踰 えず


更新 2005年 2月20日

どうも私は目も頭の回転も劣化した為か、何でも早とちりする事が多くなっています。
特に最近は英語はちゃんと読まなくなっています、見ただけで早とちりするのでこんな指摘を受けるのですね。
メールを送ってくれた人は、私の親切な友人ですから、私が恥の上塗りをしないように親切に教えてくれました。ここで訂正して、お詫びいたします。

銃身寿命
あれは223WSMの薬莢がいいのではなくて、よくグラフの注釈を見ると、223WSMはクロームメッキ(銃身内)22-250は普通のクロモリ、ガンブルーどぶづけだからだと思うのです。

解説を見ると、 In chromed barrels, the wear resistance is doubled (see chart).と書いてありますから、クロームメッキは倍は寿命があるぞ、といってますし。

It should also be noted that Browning has never sold a rifle in 223 or 243 WSSM without a chromed barrel.とかいてますから、
要は、ブローニングの鉄砲の寿命は銃身内をクロームメッキだから長いよ。といっているんです。
多くのハンター達から、過去に何度も相談された事がありますが、20~30メートルの所にいる鹿を撃ったら、マグナムライフルなのに逃げられたとか。30-06なら止まるのにマグナムで撃つとだと逃げられると言う相談が幾度と無くありました。
これはマグナムライフルの場合、初速が早すぎて鹿の体内に衝突した瞬間、弾頭が破砕するのがその原因です。
ですから回収した鹿の弾頭をよく調べて見ると解りますが、1発で鹿が倒れなかった場合、銅のジャケットと鉛のコアーが完全に分離しているはずです、実はこれが殺傷力を極端に減少させている最大の原因なのです。
多くのハンター頭とすると公差は一桁大きいはずです。命中精度から言えば良いことではありませんが、ベンチレスト射撃みたいにミリ単位のグルーピングを競うのでなければ十分な実用性が有ります。 

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