レミントン 11-87 プレミア - 誰も書けない! 誰も書かない! 取扱説明書

2003年 3月11日 築地

言わずと知れた11-87はレミントン社の自動散弾銃ですが、プレミアと言うのは直訳すると特選品と言うような意味があり、この銃は機関部、銃身はピカピカに磨かれた上で黒染めされ、銃床もアメリカンウオルナットを使い、ウレタンでピカピカに塗装されています、このモデルをプレミアと言うのです。

11-87
11-87

ハンテング専用のモデルは、SPS(スペシャルパーパス)と言って、機関部、銃身はつや消し、銃床もシンセテック銃床を使ってあります。
今回はプレミアについて説明しますが、内容的には同じですのでSPSの場合も同じだと考えてください。
ベレッタなどが機関部を軽合金にして、さかんに軽さを売りにしているのですが、未だにレミントンだけはかたくなに機関部は"スチール"を売りにしています。
勿論、スチールが丈夫なのは言うまでもありませんが、銃の耐圧は銃身と、銃身にロックされるボルトで保っているので機関部がスチールである必然性はないのです。
それが証拠に、軽合金の物でも機関部に割れが入ったなんてトラブルは皆無ですからね。
但し、金属の質感とか言うことになるとスチールの質感は軽合金では出せないのは事実です。なんて事を言いながら、この銃の引き金ブロックは軽合金です。
後半に引き金の説明の所に画像がありますのでご覧頂くと解りますが、引き金ブロックの下側は黒くなってますが、上の方はダイキャストの地肌のままですから白いですよね。
下の黒いのは焼き付け塗装なのです。

この様に機関部がスチールなのでレミントンは重たいと言われるのです。
しかし、ベレッタ等と比べると値段が安いので、値段で決めるならレミントンですがね。

アメリカでは子供が銃をいたずらして事故を起こすと言うことが少なからず発生しています、下手するとどんな大メーカーでも訴訟を起こされ、万が一にでも敗訴なんて事になると、膨大な賠償費用を請求されるため会社が倒産しかねません。

安全
安全

必ずしもそれだけが理由ではないかも知れませんが、レミントンの銃は安全装置が二重にかけられるようになっています。
通常、引き金の安全装置は左右に動かすことにより作動します。
これは従来とおりです、新しい安全装置は安全キーを使って、180度回転させてロックしたり、解除したり出来るのです。安全装置ボタンの白い矢印を、トリッガーガードの白いマーキングに合わせると、安全装置がロックされます。

安全キー
安全キー
安全キーを差し込む
安全キーを差し込む

これを赤いマーキングに合わせると安全装置を作動させることが出来ます。
日本では銃は全てガンロッカーに収納されているので、子供が銃を触ることもないし、そのために事故が起こると言うこともないので、こんな煩雑な安全装置を使う必要はありません、はっきり言って無駄な装置ですね。

銃は、銃身を取り外した状態で箱に収納されています、器用、不器用にかかわらず、必ず銃身は自分で組み立てなければなりませんが、これが出来ないという人は今まで居ませんでした、しかし、手間取る人は居ますね。、そこで手間取らないでスピーデーに組み立てられるコツを少しお話しします。

先ず先台のキャップ(ネジ)を外して先台を抜くと、銃身を機関部に取り付けられる状態になりますが、このまま銃身を差し込んでは駄目です。
ボルトが前進した状態では、ボルトの上にあるロッキングが出ている為に銃身が差し込めないのです。そのために銃身を差し込む前に必ず機関部を開放してください。

機関部開放
機関部開放

レバーを完全に後ろまで引けば、機関部は開放された状態で止まります。
この状態で銃身を差し込むのですが、銃身を差し込む前にもう一つだけチェックしておくことがあります。
レミントンの自動銃には24グラム装弾を使うときに、回転を確実にするためにガスヒールという部品をガスシリンダーの所に使います。

ガスシール
ガスシール

画像、ガスシールをご覧ください。
銃を箱から出した段階ではガスシールは大体ここの位置になります。
このまま銃身を差し込むと、ガスシールが弾倉パイプの段差の所で引っかかってしまい、銃身が上手くはまらなくなるのです。
その為に段差の所よりも機関部側にガスシールを移動させておくのです。
そうすれば銃身はスムーズに装着できるのです。

段差
段差

銃身とガスシールの位置関係をご確認ください。
ガスシールと言う名称ですが、要するにOリングです、しかし、市販のOリングを使うと簡単に切れてしますので、これが切れた場合はレミントン純正の物を使うしか方法はありません。純正品の値段は\1200です。
このOリングは比較的容易に切れますので、24グラム装弾を使用するとき以外は外しておいてください。マグナム装弾を使うと簡単に切れますが、切れても回転するのでほとんどの人がそれを知らないで使っているケースも多々あります。

ガスシールの位置
ガスシールの位置

ベレッタは24グラム装弾から52グラム装弾まで綺麗に回転しますが、レミントンの場合、24グラム装弾で回転不良が起きることがあります。これは元々マグナム装弾を使うことを前提として作られているので設計上問題があるのかも知れません。
逆にマグナム装弾を絶対に使わないと言う前提なら、レコイルスプリングを切りつめたり、ガス筒の穴を調整したりして24グラム装弾でも綺麗に回転するように調整する事は出来ます。このあたりのガス筒の設計はベレッタの方が上手ですね。
画像をご覧ください。ガスシリンダー本体の前に、ガスシリンダースプリングがありますね。これは強い装弾を撃つときにはここのスプリングが開いて余分な強いガスを放出するのです。

ガスシリンダー
ガスシリンダー

11-87の前のモデルは1100でしたが、昔の1100の頃は、射撃用装弾も32グラム狩猟用のマグナム装弾ですら45グラム程度だったので、こうしたガス抜きの穴は銃身には付いてなかったのです。
現在は24グラムから52グラムまで、装弾もいろいろありますのでレミントンも苦悩するところでしょう。

銃床の先台の内側にはファイバー繊維で内張してあります。
これは補強の為なのですが、昔、この補強が無かった頃は、やたらとここが割れましたね。
割れて割れて割れまくった感じでしたね。
1100のうんと古いモデルはほとんどここに割れが入っています。

先台内部
先台内部

日本では、法律で散弾銃の弾倉には2発しか装填出来ませんが、アメリカも場所によっては弾倉内は2発に制限されている所もあります。
そういう場所で使用するために弾倉無いにプラグを詰めます。

プラグの取り外し
プラグの取り外し
弾倉スプリング
弾倉スプリング

弾倉の先端には黒いプラスチックの部品がありますが、これはマガジンスプリング リテーナーと呼びます。

プラグスペーサー
プラグスペーサー

これはドライバー、または付属のチョーク交換レンチを使うと簡単に取り外すことが出来ます・・・・・・・・出来ますが、個人でやると武器等製造法違反ですからご注意ください。これはあくまでも説明書ですからこうすればこうなる言う意味での説明です。リテーナーを押し込んだまま、左右どちらでもいいですから45度回転させると弾倉の中のスプリングが、ビヨヨーーンと出てきます。この中にプラグを入れて弾倉内2発にしているのです。
再度警告しますが、プラグを抜くと武器等製造法違反、銃刀法違反ですからね!

キャリアラッチリリース
キャリアラッチリリース

さて銃身を取り付けたら、開放していたボルトを前進させなければなりません。
機関部の下にあるキャリアラッチリリースを押せば、ボルトはバシ~ンと前進します。言うまでもありませんが、銃身を着けない状態でボルトを前進させたら壊れますからね!

参考までに言いますが、ボルトを作動させるボルトハンドルはネジやピンで止まっている訳ではありません、単なる挿入です。ですからこのまま上に引くと簡単に抜けます。
時たまこれを無くす人が居ますので気を付けてくださいね。

ハンマー停止位置
ハンマー停止位置
激突
激突

トリッガーガードブロックは機関部にある2本のピンで止まっています。
ですからこの2本を抜くと引き金ブロックは簡単に外すことが出来ます。
取り外した後は"絶対に引き金を引かないでください。
その理由は、この状態で引き金を引くと、通常ならばハンマーはボルトの後端撃針を叩く位置で停止します、それ以上は動きません。しかし、ボルトば無い状態で引き金を引くとハンマーはキャリアラッチに激突して、保証付きでキャリアラッチを折るのです。
時々お客様から、「何にもしないのに部品が折れた」なんてとぼけた電話があります。
何にもしないでキャリアラッチは折れません!

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