弾道計算ソフトを使う - 弾道学

2000年 4月 2日 築地

このサイトをご覧の方のほとんどがコンピューターを介して閲覧されていると思う。
現在ロスアンジェルスのコンピューター博物館に展示されている、世界で最初に作られたコンピューター "エニアック" 実は弾道計算するために作られたコンピューターでああった、砲弾の弾道を計算するために何万と言う真空管とリレーを組み合わせ、小さな町一つと同じ程度の電力を使い、砲弾が発射されてから着弾するまでの弾道を瞬時に演算できた驚異的な機械だったのである、何と、それまでは何百人と言う人間が計算機を使って演算していたのである。価格は、と言っても軍事予算で作られたので実際には知ることは出来ないが、今のお金に換算すると数百億円という値段では無いだろうか。しかし今、貴方が使っているコンピューターに内蔵されているマイクロチップはそのエニアックよりもさらに高度な計算処理能力を備えているのである。そのCPUを弾道計算に使わないのはあまりにも、もったいないではないか、もし貴方がライフルシューターなら、100メートルで照準を合わせた弾頭が、300メートル先、あるいは500メートル先で何処に着弾するかコンピューターに計算させて見るのもこれこそ、ライフルシューターのコンピューター利用方法の一つではないだろうか。

さて、弾道計算をするには先ずは弾道計算ソフトが必要になる、私はコンピューターがDOS仕様の頃から弾道計算ソフトを色々買い込んでテストをしてきたが、90%以上の弾道計算ソフトが日本では使えなかった、全ての弾道計算ソフトが英語版のDOS上で動いているため日本語バージョンにインストールすると全く動かない、そのためハードデスクの中に英語版の領域を作っておきそこにインストールして初めて作動することになる、しかしながら使い勝手は極めて悪く、私自身よほどの事がない限り弾道計算ソフトを使うことは無かった。こうして買いそろえた英語版の弾道計算ソフトはほとんど私のコンピューターでは使われないまま、防衛大学で弾道学を研究されているT教授の研究室に寄付させて頂いた。(防衛大学では充分使えたそうである)

その後ウインドウズが発売されてからウインドウズ版の弾道計算ソフトが発売されるようになったが、それでも日本語版でやると動かない、今まで発売された全ての弾道計算ソフトを試した中で唯一シェラの弾道計算ソフトが作動するのを確認した、しかもNEC仕様のコンピューターでも作動する、今まではDOS/V仕様のコンピューターでは作動を確認できてもNEC仕様のパソコンでは動かない物がほとんどであった、そのため弾道計算ソフトの紹介をする事が出来なかったのでが、ここで初めて日本仕様のコンピューターで使える弾道計算ソフトを皆さんに公開することが出来る。

この弾道計算ソフトにはほとんどの弾頭メーカーの弾道がデーターベースとして記録されているので簡単に目的の弾頭を計算できる。弾頭には元々それぞれ独自の空気抵抗係数があってこの係数は残念ながら計算では求められない、どの弾頭がどのくらいの空気抵抗があるかは、すべて実験でデーターを集める、たとえば、30口径の150gr、ホローポイント、ボートテールの弾頭を実際に撃って、初速を取ると同時に100ヤードで何処に当たったか記録する、同じ条件で撃って、300ヤードでは何処に当たったか記録する、そうしたデーターの積み重ねがないと弾道計算は出来ない、これが元になるデーターベースなのである。だからいくらコンピューターが在っても弾道計算はデーターベースが無いと演算しようが無いのである。

このデーターベースを最初に作ったのはアメリカ陸軍である。陸軍の弾道のデーターベースをG1と読んでいる、G2は多分ホワイト弾道学研究所、G3は多分シェラ社のデーターだと思う、G4,G5については知らないが、弾道計算のデーターベースはG5まであるが、それぞれの弾道データーベース間の、数字の違いはごく僅かだから弾道学計算上から無視してかまわない。
多くの人が弾道計算ソフトを、これを使うと初速が演算出来るのでは無いかと勘違いする人がいるがそれは出来ない。弾道計算ソフトは、何の火薬を何グレイン入れたら銃身長、いくつの銃では初速がいくらになると計算できる物では無いのである。初速に関しては各弾頭メーカーから発売されているデーターブックを見ると使用火薬と火薬量との組み合わせに応じた初速が出ているので参考にされると良いと思うが、しかしながらこれはあくまでも "参考" であって必ずしもその初速が出ると保証しているわけでは無い、同じメーカーの同じモデルの銃であっても、銃身の内径がほんの僅かでも小さいと火薬の圧力が上がり、初速は早くなる、逆に大きいと初速は遅くなる、従ってデーターブックに書かれている数字は貴方の銃を使って出る初速では無いことをしっかり頭にたたき込んでください。
実際の初速は実際に弾速計算機を使って速度を測るしかないのである、で、実際に初速を計ってもそれが海抜の低いところで計測すると、海抜高度の高い山の上で撃つと、空気の密度が低いので着弾は上に着弾する、同じ海抜でも外気今度が高くなると空気の密度が小さくなるので空気の抵抗が少なくなり着弾は上に上がる。
従って弾道計算ソフトで演算してもいかなる場所でもそのとおりに弾道が描かれる訳では無いことを弾道学の常識として頭に"入力"しておいてもらいたい。

従って弾道計算をするときには使用弾頭の抵抗係数はデーターベースから呼び出せるが、その弾頭をいくつの初速で撃ちだしたときにどういう弾道を描くかは、貴方自身が初速をコンピューターに入力する必要がある、と言っても常識的に初速は大体決まっているのでその常識的な初速を入力すれば実用上特に問題は起こらないので気にしなくても良い。
使用する弾頭を選択して初速を入力したら、最大射程をいくらまでにするか入力する、これは弾道を求める最大距離の事である。次に正照準を合わせる位置を入力する、100メートルなら100、300メートルなら300と入力する。
最後に何メートル置きに弾道を計算するかも入力する、10と入力すると、400を最大射程と仮定して、10メートル置きに、着弾の位置と、その時点での初速、エネルギーを演算してくれる。表示する数字にはメートル、またはヤードを選択できるので、我々が弾道を把握するのにはメートル表示にしておく方が弾道がどのくらい上がるか、下がるかが把握出来やすい。
数字で表示出来るが、同じようにグラフィックでも表示できる、グラフィックの方が視覚的に把握しやすいので他の弾頭と比較する場合は有用な手段である。
初速の変化、残存エネルギーの変化、風によるドラフテングもグライックで視認できる。

さて、この弾道計算ソフトの購入方法だが、私の会社で扱えば手数料を加算する関係上どうしても高くなるので直接シェラ社にご注文される方法をお勧めする。
商品名は以下のとおりである。

INFINITY BALLISTICS SOFTWERE

このソフトウエアーの価格は$38位、その他運賃が$20位かかります。
支払いは、VISA及びMASTERカードでの決済が可能です。
シェラ社の住所は以下のとおりです。
SERRA
1440 West Henry Street Sedalia,MO65301
Tel 660-827-6300  Fax660-827-4999

http://www.sierrabullets.com/

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