ライフルスコープに付いての基礎知識 - パーツ&アクセサリー

1999年12月25日 築地
改訂 1999年12月29日 築地

ライフルスコープの性能に付いて明確に解析した書物はありません、またそれぞれのメーカーが当社こそ一番と言う宣伝をしていますので一般ユーザーは何を基準に選択して良いか迷います、ここではライフルスコープの選択方法、適した使い方、メーカーによる性能の違いに付いて説明します。

ライフルスコープは1万円程度のスコープから十数万するスコープまで色々あります、しかしいずれのスコープも単に覗いただけではその性能に見分けが付きません、ではどういう事が値段の違いに影響しているか説明してみます。


レンズの特性

まずスコープが高いか安いかの一番大きな違いはレンズの性能にあります、レンズの材質これが明るさを決めます、またレンズの設計も重要なポイントです、高いスコープは材質にカメラ用のレンズを使っています、安いスコープは通常のガラスだと言うことです。

次に大切なことは、コントラストの問題です、獲物を暗がりで見たときにハイコントラストのスコープほど獲物を明確に見分けられます、このコントラストを最大限に発揮させるのがレンズのコーテングです、高いスコープはこのコーテングに手間暇をかけています、安いスコープはコーテングしてない物があります。

対衝撃性

通常の光学器械と違い、ライフルスコープは強烈な反動を発生させる銃器に取り付けられています、そのため対衝撃性はきわめて大切な性能です。
ライフルスコープはスコープ本体のチューブの中に、照準を調整するためのチューブが内部に組み込まれています、その内径のチューブの中心にクロスヘアーがセットされています、通常はこのチューブを通して目標を狙うことになります。従って照準調整をしてもクロスヘアーは常にレンズの中心にあるのです。照準調整をする場合この内側のチューブだけを上下左右に移動させて照準調整をしているのです。照準調整をするネジは上下の場合上、左右の場合は右に付いています、その反対側にバネが入っています。
安物のスコープの場合、このバネが完全に収縮しないことがあります、また経年変化でバネが弱くなったり、錆びたりすると、戻りが悪くなります。
射撃の衝撃がある度に内部のチューブは動きます、そしてバネの力で戻るのですが安いスコープではこの戻りが悪くなることがあります、この場合、弾着がある瞬間からとんでも無いところに着弾するようになります、またそのうちに規定の所に戻ったりします。これはスコープを覗いただけでは決して解りません。

レンズ口径

最近はレンズの口径が50ミリを越える物がたくさん作られるようになりました、これによりより明るい物が作られるようになりました、レンズが明るくなることは良いことなのですがレンズの口径が大きい分マウントリングの高さは高い物を使わざるを得なくなります、そうすると頬付けが甘くなり大変使いにくい銃になってしまいます。
もしお使いになるならレンズの口径は40ミリ前後を選択される方が良いと思います。

鏡体

ライフルスコープのボデーは1インチの物と30ミリの物があります、値段的には30ミリの方が割高になっています、これは1インチの製造数が圧倒的に多いからで、スコープそのものの性能に違いはありません。
では何故30ミリの物が存在するかと言いますと、基本的にヨーロッパのスコープはこの30ミリを基本に作られています、30ミリのメリットは外径が大きい分内径も大きくなります、そうすると中のチューブの移動量も必然的に多くなります。
ライフル銃で500メートルで射撃する場合は照準調整が出来ますが、700メートルくらいになりますとレチクルがそれ以上調整できなくなります。
しかし30ミリチューヴの場合、内径に余裕が有りますので800メートルくらいまで照準調整ができます、それが30ミリチューブのメリットです。
もう一つのメリットは1インチスコープの場合ボデーの厚みは1ミリ程度ですが、30ミリチューブの場合厚みが2ミリあります、その分丈夫だと言うことが言えます。
軍用のスコープがことごとく30ミリなのはそのせいです。
レンズの明るさで言うと以下のスコープが優れています、
ツイアス、シュワロフスキー、カールス、シュミット&ベンダー、ボッシュロム

視差について

ライフルスコープは倍率を変化させるとその構造上狙点がわずかに変化します、これはライフルスコープを完全固定して、スコープを覗いたままズームを動かすとレリクルと目標がごくわずかずれることを確認できるはずです、これが視差です、多くの方が一旦照準調整をすると何倍で使っても照準位置は同じだと考えていますが、実は微妙に違うのです。
視差の程度を確認するにはスコープを固定して接眼レンズの上側、下側、右側、左側とずらして見るとスコイープに何も手を触れていないのにリチクルが上下左右に動くことが解るはずです、だいたい100メートルで2センチくらいは動きます。これも視差です。
色々なスコープを試した結果、視差が一番少ないのはリューポルドです。

修理について

ツイアス、シュワロフスキー、カールス、シュミット&ベンダー、ボッシュロム、リューポルドの中で、一番故障の少ないのはリューポルドです。
私の人生の中で相当数のスコープを売りましたが一番修理件数の少ないのはリューポルドでした、ツアイスは売れているせいか年間に数件数理以来があります、ツアイスの修理代は無料ですが当然にして往復の運賃は自己負担です。
日本製のスコープではボッシュロム、ニコン、タスコ等があります、ボッシュロムの修理体制は完璧ですがニコンは修理すら受け付けてくれません、なぜなら日本ではなくシンガポールかどこかで作っているのでニコン製と言うのは名前だけです。タスコの修理体制も整っています。 

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