海兵隊での狙撃訓練 - コーヒーブレイク

2000年 1月 30日 築地

たまには息抜きに軍事物のお話を致しましょう。
私が根っからのライフルシューターで有ることは私の書き込みでおおかたお察しだと思います。ライフル射撃に関して言えば私は3段の資格を持っています、その番号も0013番ですから如何に私が早い時分に段位を取得したかおわかりいただけると思います、ライフル射撃を極めると、やはりスナイパーの世界を覗きたくなるのが人情では無いでしょうか。
実は、以前、アメリカの国防総省のつてを頼って海兵隊のスナイパー訓練に参加させてくれと無謀な申し出をしたことがあります、で、その結果海兵隊の狙撃チームの最前線は沖縄なので現地の司令官に連絡を取って見ろとの返事をもらいました。

実を言いますと、在日米軍の銃器販売はすべて当社の独占事業なのです(知らなかったでしょう)在日米軍は勿論、沖縄の海兵隊と言うとなんと当社の一番のおなじみさんでは有りませんか、海兵隊の司令官も当社のお得意さんです、思わず頬が緩みました。
で、早速************(この辺の情報は非開示です)******して、キャンプハンセンの海兵隊射撃場に行ける事になりました。
キャンプハンセンには海兵隊の専用射撃場あります、最大射程は500ヤードです、なんと長瀞より長いでは有りませんか、私は愛用のFAL、そして自作のスナイパーライフルをこのために持参しました。
で、ここで問題ですが、日本の銃砲所持者が日本国内の米軍基地で射撃するのは合法でしょうか、それとも違法でしょうか?
日本国内で射撃をする場合、必ず公安委員会の指定射撃場で使わないと違反になります、しからば米軍基地内は外国でしょうか、国内でしょうか。これが大使館の敷地内なら外国ですが米軍基地内は実に微妙な立場にあるのです。そのため当社の顧問弁護士から警察庁に疑義照会を出してもらい警察庁の見解を得た上で銃器を携帯して沖縄に飛びました。

那覇から車で2時間くらい行くとキャンプハンセンのゲートに着きます、付近には軍用犬警戒地域違法侵入者は射殺、なんてヤバイ警告もあります。
私は"その筋"を通して来ていますので基地内では何でもOKと言う感じです、射撃場に行くと私の為に現用のスナイパーライフル40M1Aが用意されています、その他にM-16、軽機関銃ミニミも用意してあります。しかしながら今回の目的はスナーパー射撃訓練に参加する事ですから、一応スナイパーライフル以外は外道として体験射撃をするのは止めました。そのあとゲリースーツと呼ばれるスナイパーが着用する衣服を見せてもらいました。網で出来たポンチョに草色の布きれが取り付けてある、ホームレスも驚いて逃げ出しそうなヤバイ服です、もっと正確に表現するなら、服と言うよりぼろ切れですね。

しかし、これを着て草むらに寝転がると、すっかり草むらに溶け込んで5メートルくらい近づいても全く解りません。スナイパーの基本は射撃技術より、如何に敵に近づくかと言うことだそうです。スナイパーは同じ服装をした観的手と二人で行動します。観的手は通常のM-16ライフル、スナイパーは4.5キロのスナイパーライフルを携帯します。
スナイパーライフルには147グレインの軍用弾頭の弾道に合わせて射程距離に合わせて照準調整が出来る、ウナートルの専用スコープが装着されています。スナイパーライフルは全部の重量を合わせると5キロを超えます。使用する弾は、レイクシテー製のマッチ装弾です。海兵隊のスナイパーは全員この特殊弾頭を使います。しかしながらもっと命中精度の良い6ミリPPCなどの装弾は軍隊で使わないのだそうです、なぜなら308はM-60などの機関銃、M-14などの軍用小銃に使われています、これと同じ弾を使わないと発射音に違いが有るのですぐにスナイパーだと解るから使わないのだそうです。
ナルホド納得!
海兵隊の訓練で、300、500、ヤードで固定標的を撃つのは表向きの訓練です。
通常はこうした訓練をしていると一般には説明しています、また広報の写真もこうした物しか公開していません。

一応、海兵隊からは非公開という事で口止めされたのですが、私に"内緒だよ"と言ってしゃべったのが悪かったのです。それに海兵隊がこのHPを閲覧する事はないと思いますのでこの際思いっきり全部しゃべっちまいますが、海兵隊の訓練のメインは実は固定的の射撃では有りませんでした。
その訓練とは、観的壕で、兵隊に竿の先につけた頭と同じ大きさの標的を持たせて、観的壕を左右に行ったり来たり、そして時折止まらせたりして射撃するのです。これで人間が歩行する状況と同じ場面を再現させ、その狙撃訓練をしているのです。しかし狙撃は簡単です300メートルで人間の頭と同じ大きさですから歩いていてもタイミングさえ間違わなければ100%命中します。
ベンチレスト射撃の世界では、固定的ですが300メートルで10円硬貨に命中させられます。ですから動いていても外れる訳はありません。
しかし、実際のスナーパー射撃は700~800で撃つ場合が多いのだそうです、このくらいの距離がないとスナイパーが敵前から離脱出来ないのだそうです。

警察の狙撃
海兵隊の狙撃と違い、警察の狙撃は全く状況が違います。
まず射撃する距離が根本的に違います、100メートル以内で撃つと言うことが原則なのですが、指揮官がどうしても"ビビル"ため実際の狙撃は50メートルくらいが多いのだそうです。50メートル! これでは外しようが無いではありませんか、頭どころか目玉の、それも黒目に命中させられるレベルです。しかし頭を狙撃するとマスコミのカメラがそれを写していますから後で脳味噌の飛び出すショッキングな映像が24時間放送されることになります。
そのため頭以外の場所を狙撃せざるを得ないことが多いのだそうですが、頭以外の場所を撃つと、麻薬中毒患者などは痛みを感じないのだそうです。ですから、神経系統を撃って体のコントロールが利かなくさせるのも方法の一つだそうです、しかしマスコミのカメラが近くに無ければ間違いなく心臓を狙います。
使用する銃器は700ヴァーミンターですが、最近はさらに精度の良い40Xを採用する警察も増えています。ターク高野の話では警察の狙撃用に6ミリPPCの試作を造っていると言っていました。

ひるがえり、我が日本では、(あ、悲しくなるから話すのは止めます。

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