したたかな世代 - コーヒーブレイク

2001年 6月24日 築地

私は昭和21年代の生まれで54歳、この世代はアメリカで言えばベビーブマー、日本で言えば団塊の世代と言うことになる。この世代になるとやっと子供達の手が放れ、家のローン等から解放される世代である、50~60歳台の世代は、実を言うと不景気な世の中、一番自分で使えるお金を持っている世代でもあるのである。

 当社のお客様の年齢構成を見ると、50歳代が一番多く、続いて60歳代、40歳代と続く、30歳代は少なく、20歳代となるとほんのわずかしか居ない。
この業界は50~60歳代が一番幅を利かせているという不思議な世界なのである、知らない人から見ると、何となくおじさん達ばかりでこの業界は覇気がないように思われるかも知れない。しかしながら実はこの50~60歳代が金銭感覚から言うと一番パワフルなのである。おじさん達の姿はあまりユニクロなどでは見かけないかも知れないが、それはお金が無いからではなく"買う物が無いからである"、けっして使うお金がないからではない。現実的には一番大変なのは20~30歳代では無かろうか? 収入の割には思いの外、色々な費用が必要で、自分の小遣いは以外と少ないのでは無かろうかと思われる。

 ユニクロ等にこうした世代が多いのはお金が有るからではなく、逆にお金が無いからかも知れない。当社の例で言えば30歳代で高い銃を躊躇無く買えるのは、親の遺産が転がり込んだか、よっぽどバブリーなビジネスをしている人か、それとも本当に実力のある人では無いのだろうか。こんな悪口を言っても平気なぐらい、30歳代はお金がない! ところが50~60歳代になるとごく平凡なサラリーマンのお父さんでも、スパッと鮮やかに高い銃を買われる、それだけ50~60歳代は余裕のある人が多いのである、世の中には色々なビジネスがあるが、銃砲業界くらい50~60歳代が集中している業界も少なくないと思う、業界関係者と話をすると、この業界は若い人が少ないと嘆く声が少なくないが、実はこの業界、50~60歳代が多いからビジネスになっているのである。

この世代はお金は持っているのだが、滅多に衝動買いはしない、それは何故かと言うと、元々そんなに欲しい物がないからである、だからこうした世代の人たちに欲しい物を頭の中にインプットさせるのがビジネスとして大切なテクニックなのである。

 実を言うと、当社にカタログ請求されて、カタログを見て、すぐに銃の購入を決められる方は以外と少ない、初めてカタログを送るとほとんどの人が無しのつぶて状態である、初めてカタログをお送りした場合、現実にはほとんど反応はない、これがこの世代の特徴、"欲しい物がない症候群"の現れである。しかし、これで簡単にあきらめてはいけない、この事を書くとカタログ販売のノウハウを公開することになるが、実は、この世代の人たちはカタログを配布して2~3年くらい経過して初めてぼちぼち反応が現れる。
初めてのお客様はカタログを送ると取り敢えずカタログをめくって見ることになる、しかし、欲しい物は無い! また次のシーズンにカタログを送る、2~3年と言うことは最低でも4~6回カタログをお送りすることになる、そうすると何となくカタログを見ている内に欲しい物が見えてくる、と言ってもあくまでも私の勝手な思いこみなので現実にはそれとは大違いの場面も有ることは間違いないが、まあ色々な場面展開は有るとは思うが、これらの世代に対してはカタログを配布して反応がないからと言って、直ちにカタログ配布をストップするのはビジネスとしては最悪の選択なのである。

当社の場合は当人から配布拒否の連絡が無い限り坦々とカタログをお送りし続けることにしている、そうすると2~3年目にポツリと注文が来ることになる、つまり、お送りしたカタログは毎回目を通し、何が欲しいかがだんだん見えてくると言うことである。
先ほどからくどくど言っているように、この世代で一番困るのは、お金があっても"欲しい物がない"と言うことである、しかしカタログを毎年見ている内に、何となく"欲しい物"が見えて来ると言うところに案外カタログ配布の意味があるのである。

 おっと、あんまり私の手の内を公開しても困るのだが、だからといって私の手法を誰でも模倣出来るわけではない、なんと言っても一番大切なのは誰がカタログを必要としているか、そのおいしい情報である、お客様にはインターネットを通じてカタログ請求をしていただいているが、実を言うとかなりの割合で、まだ銃を持っていないと言う人が多いのである、この世の中、銃を買いたいと言う顧客データーは何処を探しても有るわけがない、インターネット時代のおかげで誰でもインターネットにアクセス出来、カタログでも見てみようか、という世代を取り込むことが最大のビジネスチャンスを作り出すことになる。これらの方達はこれから確実に銃を買おうとしている人たちである、このビジネスを始めた時、お客様とのつてが全く無いので猟友会の名簿を元にDMを出したのだが、これは大失敗であった、費用対効果が最悪であったからである。最初トライアルで2,3の県に葉書を出して反応を見たが、効率が悪いことが判明してすぐにこの作戦は撤収した。

昔からそうだが今でも最良の作戦は"口コミ"である、実際に銃を購入した人から聞いた話、それが口コミで伝わり、その結果仲間の人がカタログを請求されると言うケースが一番販売効率がいい、しかしながら口コミは逆の効果もあるわけで、銃を販売した後、フォローが悪く当社に対して悪い印象を持たれた場合は、ビジネスとしては逆効果になりかねない、これがあれば私のビジネスは命取りになる。

当社がカタログビジネスを展開する中で、未だに無くならない、と言うよりはその手段が年々巧妙悪質になっているのは同業者の悪口である、これが特定の業者の顔を出して非難するのならフェアープレイだが、お客の振りをしてあちこちにガセネタを撒くので知らない人が聞くと本当のユーザーの声かと勘違いしてしまう、しかしビジネスだから同業者から悪口を言われるのは仕方ないと思っている、はじめの頃はユニクロだって、ダイエーだってさんだん言われていただろう、しかし当社の、特に50~60代のお客様は今までしたたかに生きてきた人たちだから、こうした下らないガセネタに踊らされることはないのである。

したたかな54歳、築地でした。

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