脳内物質ドーパミン - コーヒーブレイク

2003年 9月 9日 築地

私は1960年に射撃を始めましたが、射撃を始めた当時はずいぶんと一生懸命に射撃をやりました、一生懸命にやれば必ず良い成果が得られるとひたすら信じていたからです。
勿論、ある程度成績は良くなりますが、日本を凌駕して世界に羽ばたくなんて全くの夢のまた夢でした。
現実問題として、私よりも後に射撃を始めた人が、私を踏み台にしてどんどん上に上がっていきます。その内、どうも私は一所懸命に射撃をしても、費用対効果が薄いことに気づきました。
無駄な練習を重ねる内に極めて少ない人たちの中にですが、あまり練習をしなくても、劇的に射撃の上達する人達が居ることを自覚するようになりました。
割合で言ったら100人に一人くらいでしょうかね? 努力すれば100人に一人くらいの人は国体選手にはなれるでしょうね。
それと500人に一人くらいですと、全日本を狙えると思います。
でも、オリンピックはこの10倍以上のレベルだと私は思います。
それも単に出場するだけのレベルです、優勝するとなると、それの何倍、いや何十倍の位のレベルなのでしょうか? 想像するのも気が重くなりますね。

しかし、無駄な時間を使わなくても射撃に適性があるかどうか、簡単にわかる方法があります。
全くの初心者の場合、銃を構えさせただけでもある程度適性が予測できます。
初めて銃を持って、ちゃんとしたフォームになっていればある程度の適性が認められます。そして実際に撃たせればさらに歴然とします。上手い奴は、生まれたときから上手い! と言うことが良く解ります。言うまでもありませんが努力をしないと駄目ですよ! 努力をしないで上手くなった人は皆無ですが、努力をしたのに成果が上がらなかったという人は多数います。今、このコラムを読んでいる貴方もそうではないですか????
間違っていたらご免なさいね!

でも、良く冷静に考えてみてください。生まれて物心がついた頃、鏡を見て自分はスターに成れると思う人間はそうそう居ないはずです。
それは自分の顔立ちが他の人と比べて、どの程度のランキングになるか幼い頃から良く理解できているからです。幼稚園の頃から、異性にもてるかどうかで、さらに如実に現実を知らされます、当人の努力とは無関係に「もてる子」と「もてない子」が居る現実を見せつけられると、子供の内から、"もてる"と言う適性があることもうなずけます。

私も世の中に顔立ちで勝負する気は毛頭ありませんが、射撃は努力することで栄光を掴めるのではとついつい錯覚していました。
それは、戦後、日教組の間違った教育で「努力すれば望みが叶えられる」と間違った事を教えられていたからです。

でも、栄光を極めると言っても、市町村の大会で極めるとか、県大会で極めるとか、そういうレベルなら容易に叶えられるでしょう、それこそ相応の努力をすれば叶うレベルです。
日教組の言うとおりです。
私が言う、極めると言う頂点は、人間の能力の頂点、それも世界中能力の頂点、つまりオリンピックでの優勝です。
これは、単に努力だけでは出来ない事です。つまり適性がないと絶対到達できませんね。
大多数の人が50年努力して到達できないレベルですが、適性のある人間には数年で到達できる世界です。

昔、ライフル射撃のオリンピックメダリスト、バッシャム選手の講習会を聞きに行ったことがあります、演題は「貴方もチャンピオンに成れる」と言う如何にも嘘くさい内容でした。内容を聞かないで何故嘘くさいかと言いますと、チャンピオンに成れるのは常に一人だけです。会場には相当数の人間が来ていましたので、この会場の全員がチャンピオンに成れるわけないと単純に理解できました。
話の内容もイメージトレーニングの話が主で、技術的な話はほとんどありませんでした。
これは彼自身が天才的な射手なので、技術的な問題点は把握できてないのです、ひたすら精神面の話でした。私だったら全然逆の話になったでしょうね。
どうしたら当たるかと言う論理的に説明はほとんど無かったように記憶しています。
彼みたいな天才がコーチに成ったら悲劇でしょうね、何故此奴らが当てられないのかコーチ自身がイライラするのではないでしょうか?
修羅場をくぐった私の方がむしろ適切なアドバイスを出来るかも知れません。
一流選手、必ずしも一流コーチに成らずと言うことでしょうかね?

ですからバッシャム選手の講習会も、誰でも当てられると言うことを前提とした精神面の話でした、いわゆるイメージトレーニングです。
技術力がまだ備わっていない選手にイメージトレーニングの話をしてもほとんど無意味です。私が思うに、イメージトレーニングの最大の活用法は、せいぜいSEXの不感症の治療に使える位のものです。
私も時折必要に迫られて、頭の中で妄想を逞しくしてある種のイメージトレーニングに精魂を傾ける事も少なくありません。
イメージトレーニングの中で色々な妄想を膨らます中で、ふと会社の資金繰りを考えたり支払日を考えたり、次の融資を考えたり色々資金的な事を考えたりすると、急激に一物が萎えたりするのも、現在に至るもイメージトレーニングの修行が足りない所為なのでしょう。

オリンピック選手の中に、生まれつき上手かったと言うエピソードには事欠きません。
その選手が最初に射撃を始めた時、最初の1年間で何点を撃っていたか、最初にオリンピックに出たときその年齢が幾つだったか、キャリアが何年だったか、そうした事を聞けば大した弾数を使って居ないことは容易に解るはずです。私のような銃砲販売業者が、射撃は適性で撃つ!なんて断言しようものならいきなりビジネスに影響が出そうですが、現実には全く影響はないでしょう。
何故なら、日本でも真剣にオリンピックゴールドメダリストを狙っているのは、ほとんど皆無と思っているからです。オリンピックに出たいと思う人はいても、金メダルを狙う人は極めて少ないはずです。だから金メダルは適性がないと取れないよ、と言っても日本国内では気落ちする人は皆無だと考えているからです。

生まれつきの顔立ちでスターになれるかどうかの要因があるとする以上、射撃も適性があるかどうかで将来も大方の予測はできるのですが、世の中はこれだけが唯一の世界ではありません。それ以外の他人にはない優れた適性が人間には無限にあるはずだからです。
射撃は下手でも、ハンサムでなくても、ピカソみたいに絵を描く適性があるか、ビルゲイツみたいなビジネスの適性に恵まれるか、人間には駄目な適性もある替わりに、人より秀でた適性が必ず備わっていると私は信じます!
少なくとも私は今のビジネスで食っているわけですから、私自身、射撃は駄目だったけど、射撃をネタに食う適性は備わっていたと言うことなのでしょう。
過去には射撃にはまり、射撃に熱中するあまり社業が疎かになり、射撃の腕が上がった代わりに会社が倒産したなんて、オトーサンも沢山知っています。
まあ、こういう人は射撃の適性はあったのでしょうがね! 私は真似したくないパターンです。

さて、皆さん方にも色々な適性が備わっているはずです、その優れた適性も四六時中同じ事を考えていると脳細胞が疲弊してしまい、ろくなアイデアが出なくなります。
脳細胞が疲れてくるんですね。
その為に射撃をやると効果的なのです、射撃は、少なくとも撃つ瞬間は全精神を射撃に集中しないといけません。その神経を集中している瞬間は、普段使っている脳細胞とは全く別の部分を使います。
実はその間、普段、仕事で四六時中使っていた脳細胞群はゆっくりお休みができるのです。
射撃に100%神経を集中するだけで、射撃を終えた後は、得も言われぬ開放感に浸れるのはそれが理由です。
言うまでもなく、射撃は的に命中させることによりさらに多くの快感を得ることができます。
それは脳の中枢神経にある部分から、ドーパミンと呼ばれる「ご褒美の」物質が放出されるからです。それにより、幸福感や満足感を得ることができるからです。
ドーパミンは人間の生存に関わる問題では常にご褒美を放出します。
人間の存在に関わる問題、それは食欲と性欲です。
とりあえずこれが満たされればドーパミンが放出されます。
しかし、食欲と性欲だけでは情けないですね!
惚け老人になってもこれだけは最後まで無くならないと言うのも頷けます。
しかし、我々シューターが食欲と性欲だけで満足していてはいけません。

ドーパミンはこれ以外の事でも放出されます。
それは試験勉強の末に大学に合格したとか、運動会で一等賞になったとか。
他人より優れた成果を上げたときにもドーパミンが放出されます。

でも、最高のドーパミンは射撃によって放出されるドーパミンでしょうね。
満射でもいいでしょうし、トーナメント射撃の優勝でもかまいません。

この際、みんなでドーパミン中毒になっちゃいましょう!
実を言うと、麻薬を使うと同じようにドーパミンが放出されるのが医学的に証明されています、でも麻薬の使用は最悪ですね、やはり困難な目標を到達したときに放出されるドーパミンを体感しましょう。早急にドーパミンの放出を体感したい時のキワメツケの裏技をお教えします。実は鉄砲を買い換えてもドーパミンが放出されるのです。それも出来るだけ高い銃を買った時ほど効果的です。

ファーイーストで銃を買えばさらに大量のドーパミンが放出されます。

ホントだってば! 

ブランド
カテゴリー
ページの先頭へ