カタログの傾向と対策 - コーヒーブレイク

2005年 4月 28日 築地

傾向と対策なんて言うと昔の受験勉強時代を思い出す人も少なくないかも知れませんが、私の場合は「老化の傾向と惚けの対策」と言う日々をおくっています。
最近は「コラムが少ない」なんてメールを寄越される方も少なくないのですが、これまでの間、決して遊んでいた訳ではありません。
私はコラムを書く代わりに、48ページのカタログと、54ページのカタログ解説書を書く為に日夜苦しんでいたのです。 特にカタログ製作に欠かせない写真撮影費用を節約するために、私自身自ら商品撮影すら着手していたのです。
カタログ製作と、カタログ解説書を書き上げるために、コラムを書き上げる100倍くらいの労力を費やしていたに違いありません。
そもそも、コラムを書くと言うことはお金のかかる事ではありません。単なる駄文を書きなぐるだけでお気楽な暇つぶしの行為なのですが、実はカタログの作成はこれだけで500万円位の費用がかかるのです。原稿でお金を稼ごうなんてゆめゆめ思いませんが、原稿で500万円のお金を使うとうなるとかなり神経を遣ってしまいます。
実は私のカタログ作成計画はすでにアメリカで開催されたショットショーからスタートしているのです。各社の新製品の発表をインターネットで調べ、実際にショットショーのパンフレットを収集して今年の各社の販売の傾向をプランニングするのです。
その傾向と対策の集大成が2005年版のカタログなのです。
このコラム、「2005年カタログの傾向と対策」と題したのはそれが理由です。

カタログ表紙""
カタログ表紙

業界の売れ筋傾向を調べると、カタログだけでは読み取れませんが、実は密かに空気銃の人気が上がっている様なのです。
日本では狩猟法の改正で空気銃が人気が出ていますが、これとは全然別の理由で外国でも空気銃の人気が高まっていたのです。
外国で空気銃が密かに人気が出ていると言う証拠は、すでに色々なメーカーから新しい空気銃が新発売されていますが、それが何よりの証拠です。しかもこれは決して日本向けに開発した空気銃ではないのです、最初から外国のマーケットで販売することを視野においた商品なのです。
それが証拠にアメリカ国内でもエアーガン専門店が知らない間に沢山開店しています。
インターネットで調べると空気銃専門店が沢山ヒットしてきます。
アメリカの「空気銃専門店」これは従来の銃砲店とは少し違うようです。そもそも最初から装填薬銃は取り扱わず、エアーガン専門店として営業しているのです。
ですから玩具のエアーガンも取扱品目になっています。
これからの銃砲店はエアーガン(空気銃)が時代のトレンドになると私は読みました!
そこで当社でも空気銃に力を入れる事にしました。
この様に、よく言えば、変わり身の早さというか、時代を読む目と言うか、ビジネスの嗅覚と言うか、先見性と言うか、そういう言い方も出来るでしょうが悪く言えば「セコイ」と言う言い方も出来ると思います。
おいしい所取り、二匹目のドジョウ狙い、と言う言い方も出来ます。

当社ではホームページ上で、すでにエアーフォース社のコンドルは取り扱いを表明していますが、さらに追加でスエーデンの「F」社の「サ」も取り扱います。
「F」社の「サ」なんて言い方をするのは、私は気が弱いのでこれらの会社名と商品名をフルネームで書く勇気を持ちません。
私が何を取り扱おうとしているかはどうか皆さんお察しください。
実はこの空気銃は雑誌「スポーツガン」159ページにの一番下に掲載されており、国内販売価格が¥378,000となっております。
当社ではこれを約半値の¥187,000で販売する予定なのです。
コンドル空気銃は単発ですが、「サ」は連発が出来るのが特徴です。
実猟では1発撃てば当たっても外れても、空気銃の発射音で他の獲物は逃げていくので連発の意味はあまり無いのですが、どうしても連発が欲しいと言うお客様も少なくないので
「サ」の取り扱いを開始するのです。
実は、日本では「サ」しかご存じ無い方も多いのですが、これの上位機種がアメリカでは販売されています。その名称は「ブラックウイドウ」です。基本的なメカは同じなのですが銃床の素材と工作が違います、チェッカリング等も繊細な彫刻がなされています。

当社はこれも販売します、販売価格は¥210,000です。「サ」より上位機種なので正規代理店が日本では販売すれば40万円位に相当すると思います。
参考までにグリップ部分のチェッカリング画像を掲載しましたのでご覧ください。
「サ」よりは、丁寧なチェッカリングがしてあるでしょう。銃床素材も「サ」よりは良い物を使っています。この銃床を作っているのはスエーデンの、シュルッツ&ラーセン社です、元々ハイパワーライフルの製造で有名な会社ですかちゃんとした銃床を作っていますね。銃身は、ワルサー製だそうです。ですから命中精度も心配なさそうですね。

ブラックウイドウ グリップ
ブラックウイドウ グリップ

こうした「F」社の空気銃の取り扱いを始めるとなると、「F」社の代理店からは猛烈に怒られる事は百も承知です。しかも当社では正規代理店で販売されている値段の50%で販売します。だから余計許してもらえそうもありません。この事が油に火を注ぐ結果にならなければ良いがと身をすくめて物事の推移をながめています。
業界では私が銃砲業界の価格破壊をしているように言われているかも知れませんが、実はごく当たり前の価格で仕入れて20%~30%の適正利益で売れば、結果的にそれが国内の50%の値段になってしまうのです。決して意図的に価格破壊をしている訳ではないのです。
つまり、元々国内の販売価格が異常に高すぎる事が最大の問題なのですが、知らない間に、私が業界の価格破壊をしているように言われているようです。
そして銃砲業界の不況の原因は私の所為にされているのではないでしょうか?
銃砲業界が不況だという最大の原因、それはメーカーも販売業者も消費者の趣向をちゃんと把握出来ていないからではないでしょうか?
オリンピックで使われる銃は95%がベレッタとペラッチです、ベレッタは中国など貧乏な国の選手に使われますが、先進国の選手はペラッチが多いですね。
何故ミロクやSKBがオリンピック選手に使われないのか、その事を本当に、そして真剣に考えてみる必要があると思います。
これは単に私の意見ではなくて当社のオークションを観察していただければ簡単に解ります。私自身はペラッチも使っていますが、FNも使っています。ですからミロク系統の銃も私なりにちゃんと評価しています。
でも私が幾らミロクを評価しても、オークションでお客様達が指し値をされるミロクの評価は全然駄目ですね。ミロクのどんな銃でも20万円なんて値段は絶対に付きませんね。
ベレッタなら簡単に値段が20万以上の値段が付きますよ。当然ですがペラッチならそれ以上になります。残念ながらそれが正直なお客様のミロクSKB、そしてペラッチ、ベレッタに対する評価です、当然ですがSKBはミロク以下の評価です。
これがマーケットの正直な回答ではないでしょうか?
このお客様の声を真摯にメーカーも業界も受け止める必要があるはずです。

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