1999年12月29日 築地
現在世界的に売れている自動式の散弾銃は1位がレミントン、2位がベレッタ、3位がブローニングです。 ですから当社ではこの3社の自動銃だけを取り扱っています。これ以外にもメーカーはたくさんありますが、この3社の製品を越える作りの銃はありません。
いずれのメーカーも銃身は交換チョーク式です、通常はフル、モデ、インプ、の3本の交換チョークが付属です。
レミントンの最大の特徴は機関部がスチールで出来ていると言うことです、そのため丈夫だという利点の代わりに重たいという欠点も合わせ持っています。
レミントンの自動銃は現在流通している物は1100が最初のモデルです、以降のモデルも基本的な設計は同じで、1100の内部の肉厚を少し削り少し軽く作ったのが11-87です。
1100が作られた頃は、射撃専用の弾も32グラムでした、そして一番強い狩猟用の装弾も45グラムでした、ですからガスシリンダーの構造もそれほど複雑にする必要は無かったのですが現在は、射撃用の装弾は24グラム、猟用は3インチ装弾が当たり前になると強い弾から弱い弾まで同じように回転させなければ成らなくなりました。
そのため11-87にはピストンにガスシールと呼ばれるOリングを使うようになりました、これは24グラム装弾を使うための苦肉の策なので、射撃装弾を使うとき以外は取り外して置いた方が良いのです、なぜならこれを付けたまま使うと1年も経たない間にOリングが切れてしまいます、いざ射撃用の装弾を使おうとするときに回転しなくなりますのでOリングは射撃装弾を使うときだけ取り付ける方が良いでしょう。
強力なマグナム装弾を使うときは余分な火薬ガスはガス穴のバルブから放出される様になっています、1100用の銃身にはこの放出バルブがありません。
11-87をさらに軽くしたのが11-96です、機関部も極限まで肉抜きをしています、銃身も限界まで肉厚を薄く作っていますので、1100、11-87用の銃身を換銃身として使うときは11-96の先台を少し削らないと銃身と先台はフィットしません。
11-87にはプレミアと呼ばれるモデルと、SPS(スペシャルパーパス)と呼ばれるモデルがあります、プレミアモデルは木銃床を使い、金属の表面もしっかりと艶出し仕上げがされています、銃床もデュポン製の塗料で光沢のある仕上げにされています。
SPSは目的が狩猟用ですから金属部分も銃床も艶消し仕上げで仕上げられています。
またシンセテック銃床を使っているモデルもあります。
皆さんから良く聞かれる質問ですが、シンセテック銃床と木銃床とどちらが良いでしょう? これは状況によって選択する物に違いがあります。
木銃床の場合、外見の美しさ、加工性は優れていますが、割れなどの強度はシンセテック銃床の方が優れています。
寒冷地の場合、零下40度以下に下がる場合、木銃床は割れる場合があります。
もしレミントンを射撃専用に使うなら、プレミアスキート、プレミアスポーテングなどの射撃専用銃を使われることをお勧めします、この銃なら24グラム装弾で快適に回転します、また銃床も特選の品質の物を使っています。
ベレッタには3インチマグナム装弾が使えるA-390と、マグナム装弾は使えない代わりに3キロと言う軽量のA-304があります。
新製品のA391ウリカは軽量でなおかつマグナム装弾も使える優れものです。
いずれのベレッタの機関部は軽合金製です、そのためレミントンよりは軽くできあがっています。銃床の材質もベレッタの方が格上の材料を使っています、値段がレミントンよりは割高なので当たり前と言えば当たり前の話です。
ベレッタの場合回転不良の調整をすることはまずありません、これはベレッタの場合旧型のモデルを引きずっていないため常に最先端の設計がされているためです、従って旧型の換銃身は使うことは出来ません、つまり303型の換銃身は304にも、A-390にもそれぞれお互いに一切の互換性はありません。
銃身内部は硬質クロームメックがされており錆びず、摩耗にも強く出来ています。
ほとんどのブローイング銃が労働単価の安い作られるのに対して、この銃は珍しくベルギーの工場で作られています。実はこの前に作られたブローイングの自動銃、モデル2000があまり評判が良くなかったため、ブローニングとしては細心の配慮をして作っていることが伺えます、その為か、この銃は回転不良も、修理することも全くない極めて優れた銃に仕上がっています。使用している銃床材料もベレッタと同じ良質の材料を使っています。しかしながらブローニングは24グラム装弾での作動性は保証していません、もし24グラムを使うので有れば3インチを使わないと言う前提で調整は可能です。
銃身内部は硬質クロームメックがされており錆びず、摩耗にも強く出来ています。