1/2ライフリング散弾銃について - 銃について

2000年 1月 6日 築地

スラッグ弾の命中精度と威力を飛躍的に改善した銃が散弾銃でありながらライフリングを有するライフルドショットガンです、ライフルドと言うくらいですから銃身の全体にわたってライフリングが有るのですが全面にライフリングがあると日本ではライフル銃の扱いになってしまい散弾銃として所持することが出来ません、そのため全体の中から1/2以上ライフルを除去して散弾銃として登録できるように改造した銃が1/2ライフルと呼ばれる物です。

これに使う弾はサボット弾と呼ばれる装弾です。弾頭自体はサボットと呼ばれるプラスチックのホルダーに保持されています。ちなみにサボットとはオランダの木靴の事です。
このプラスチック自体をライフリングで回転させ撃ち出します。
銃口から出ると空気の抵抗でサボットは弾頭から剥離し落下します。こんな面倒なことをしないで最初から大きい弾頭を作れば良さそうな物ですがもしそんなことをしたら強烈な反動が発生し誰も使えない銃に成ってしまいます。
大きな口径から小さな弾頭を撃ち出す物を、アクチュエーター、又はサボットと呼んでいます、ライフル銃でも30口径から22口径を撃ち出す、アクチュエーターがあります。この場合初速は4000フィートに達します、通常の30口径の初速が2800フートくらいですからもの凄いスピードアップです。
戦車砲の中でもアーマードピアシーと呼ばれる、弓矢の形をした特殊な砲弾があります。
これは超硬の材質で非常に硬い弾頭として作られたり、劣化ウランなどを使用して非常に比重の重たい弾頭として作られているため弾道が極めて安定していて、戦車の鋼板を貫通させる事が出来ます。実際の発射を見ると射程4キロくらいはほとんどドロップしていないように見えます。戦車砲で撃ち出す場合同じく4000フィートで撃ち出します。
これらの弾頭もサボット弾頭と呼ばれています。

自動銃やスライド式散弾銃でも1/2ライフル銃身はありますが、ご存じのようにこれらの型式は機関部と銃身が固定されていないため激発の瞬間に微妙に銃身が動くため命中精度から言うとあまり良くはありません。
やはり命中精度重視で考えるなら銃身と機関部が固定されたボルトアクション式の銃が最良です。こうしたボルトアクシヨン式の散弾銃は、今まではブローニングのA-ボルトとモズバーグが有りましたが、ブローニングは今年から製造中止が決定しましたの現状で入手できるのはモズバーグのみとなりました。
モズバーグは当社では¥79000で販売しております。
また20番だけに限定されますがターハントも製造されております。
ターハントは当社では¥299000で販売しております。
ターハントとモズバーグはそれぞれ値段の格差が非常に大きいですがモズバーグは量産品、ターハントは少量生産の特別な銃ですので値段格差がありますが命中精度に違いはありません。
命中精度と弾の相性は極めて密接な関係にあります、装弾メーカーでは独自に弾を包むサボットの直径をそれぞれ独自の寸法で作っていますので使用する銃にそのサイズが合わないと命中精度が極端に悪くなります、そのため事前に使用する装弾の弾頭を取り出して銃口内を通過させて見れば簡単に判断できます、もし抵抗無く通るようだと命中精度は劣悪だと考えてください。

ライフリングが薬室側にあるか、銃口側に有るかの優劣ですが私は薬室側に有るのが有利だと考えております。それは雷管を点火して火薬に燃焼が広がると弾頭が移動を始めますが、そのとき弾頭がライフリングに食い込む抵抗が無いと、火薬の圧力が上がりません。
元々装弾は薬室からすぐライフリングが始まるのを想定して燃焼速度が決められていますので薬室の前にライフリングが無いとライフル銃で言うところのスロートがあるのと同じ状態になりますので、弾頭が早く動きすぎ火薬の燃焼が遅れがちになります。
従って燃焼速度の速い散弾銃の火薬を使うとはなはだ不都合な事が発生します。
その最大の問題は銃身の損傷です。通常の使用の場合問題ないと思いますが銃身と装弾の相性が著しく悪い状態で使いますと弾頭がライフリングに激突する事になり、銃身に膨らみが生じる事があります。また命中精度からも決して良いことではありません。

ブランド
カテゴリー
ページの先頭へ