ベレッタ 391ウリカ - 裏側まで、徹底解説

2000年11月19日 築地

今回はベレッタの新製品、391ウリカ自動銃のリポートである。
ますはベレッタの言い分を聞いてみよう。
以下の文章はベレッタの取扱説明書からの引用です。

非常に細身の丸みを持たせた機関部の設計です、こうした機関部を採用することにより本能的に的に素早く狙いを付けることが可能です。機関部の上部と下部はマットフィニッシュというつや消し仕上げにしてあります、これは的を狙ったときに反射を無くすためです。
しかし銃の華麗さを保つために、機関部の中心部の左右は、輝きを持たせてあります。
またボルトおよびキャリアーにはエンジンターンと呼ばれる飾り磨きを施しております。

ボルト
ボルト
キャリアー
キャリアー

ガスピストンは全く新しいシステムを採用しました、名付けてエグゾーストバルブ付ガスオペレーテングシステム、これは排気バルブ付 ガスオペレーテングシステムと言う意味です。わざわざ排気バルブ付と言っているのには理由があります。
この銃は24グラムの射撃用装弾から、57グラムの3インチマグナム装弾まで全て使えるというのがその最大の特徴です。

ガスオペレーテングシステム
ガスオペレーテングシステム

排気バルブはそれらの作動を完璧にこなすための特殊装置なのです、つまり24グラム装弾を使うときは反動が少ないので当然にしてガスの圧力も弱い、そうしたときはガスをあまり排気しないでボルトが完璧に後退させるためにガス圧を利用する、マグナム装弾を撃つときはガス圧が高いので余分な高圧ガスを排気バルブから排気してボルトが強烈な勢いで後退してボルト、および機関部が破損するのを防止しているのです。
銃床の中にはボルトが急激に後退したときの衝撃を防ぐためにリコイルダンパーを内蔵してあります。また通常の使用時でも、ボルトの後退による衝撃を少なくするために作用します。トリッガーガードはガラス繊維混合のテクノポリマー樹脂で作ってあります。

この素材はアルミ合金より強い強度を備えております、またトリガーガードは手袋使用時でも楽に使えるよう大きく作っております。極寒の中でトリッガーガードに触れても従来の金属製のように冷たいと言う感じはしません、またポリカーボネイトは汚れにくいという性質も備えております。

トリガーガード
トリガーガード

機関部の左側にはカット-オフ機能を備えております、このレバーを押し込んで"オン"の状態にしておくと、弾倉から装弾が送られなくなり、ボルトを操作して排莢すると薬室の装弾だけが排出され弾倉内の装弾は排莢されません。
カット-オフ装置を解除すると通常とおり装弾が送られます。

カットオフ OFF
カットオフ OFF
カットオフ ON
カットオフ ON

安全装置はトリッガーガードの前に配置してあります、この安全装置はボタンを左右にはめ変えるだけで左射手用に簡単に交換することが出来ます。
バットプレートは通常のゴム製の物を取りつけてありますが、プラスチック製の物も標準装備されています。

安全装置
安全装置

狩猟や、スキート射撃の場合など素早い肩付けが要求される場合には便利なベットプレートです、またこれに取り替えると簡単に全長を1.6cm短くすることが出来ます。
銃床はベンドの調整、およびキャストオフが簡単に出来ます。以下その方法を説明します。
部品セットの中にポリカーボネイトで出来た楕円形のC-50-DXと刻印された部品があります、これは片方が厚く、片方が薄くできていますので、これを銃床と機関部の間に挟めばベンド調整が簡単に出来るのです、薄方を上にして挟めばベンドは高くなり、逆に厚い方を上にして挟めばベンドは低くなります。
またC-60-DXと書かれたスチール製の楕円の板を銃床のボルトチューブと呼ばれる中にセットすれば銃床を銃身軸線から左右に振ることが出来ます、これは楕円の鉄板に穴が開けてありますが、その穴が中心から少し偏芯しています、その偏芯分だけキャストオフすることが出来るのです、キャストオフとは右利きの射手が銃床の後ろを右側に振ることを言います、左射手の場合、逆に振り、これをキャストインと言います。
このキャストオフ、キャストインは銃を構えたとき銃床が反対側に少し曲がっていることにより狙いやすくするためです。
これらの調整をするためにはまずレコイルパットを外します、レコイルパットは上下2本のネジで止められていますのでこれを外します、そうすると銃創の中に銃床を機関部を止めているネジが見えます、これを外すと銃床と機関部が分離します。その分離した間に部品を挟めばベンドを変更できます、銃床の中に鉄の楕円形の部品を入れるとキャストを変更できます。

銃の付属品は、ガンケース、マガジンプラグ、予備のバットプレート、ベンド調整金具、キャストオフ設定金具、負環セット、ガンオイル、交換チョーク5本、交換チョークレンチが付属で付いている。これで391ウリカゴールドが¥165000、シルバーが¥145000ならお買得価格と言うことが出来るかも知れない。

引き金から銃床までの長さを言うプルレングスは36.2cm~37.6cm
重量は12番が 3.0キロ、20番が2.7キロです。

フルセット
フルセット
収納時注意
収納時注意
硬質クロームメッキ
硬質クロームメッキ
アルゴン溶接
アルゴン溶接

以上がベレッタの言い分であります、これからが私のレポート部分でありますが、少し辛口のいつもの調子です。

機関部の素材はどこのメーカーも軽合金としか言いませんが、どこのメーカーも素材はいわゆるジュラルミン製です、これが軽合金の中では一番強度がありなおかつ加工性も良いからです。従ってメーカーによって素材の優劣はありません。
機関部を上下マット仕上げにして真ん中を艶仕上げにしてあるのは単なる見栄えですがデザイン的に言うとなかなか優れたデザインだと言うことが出来ます、ゴールドモデルは機関部の中に金象眼が施されていますが、勿論本物の象眼ではありません、この部分だけを金メッキ仕上げにしただけの物で長期間使用すると剥げてくる可能性も否定できません。

機関部全体
機関部全体

機関部全体に丸みを持たせて狙いやすくしてあると言うベレッタの主張はある程度的を得ていると思えます、実際に狙ってみると従来の物よりは狙いを付けやすいように感じられます、また機関部のリブ延長線上の真後を少し削ってあるのも狙いやすくしてある理由でしょう。

窪み
窪み

この銃は24グラム装弾から57グラム装弾まで使えるというのが最大の売りですが、果たして全メーカーの全装弾まで絶対に使えるかと言うとほんのわずかですが疑念は残ります、私だったらメーカーによっては使えない可能性がありますよと注釈を付けておきたいところです。先台の構造はガス穴から排出したガスを銃床の外側に排気するような構造になっているのでレミントンなどに起こりがちな銃床割れは少ないと思われる、事実、今までベレッタ系統の銃はほとんど先台割れのトラブルは起きていない。
レミントンなど比較して、銃床の品質が良いと言うのもベレッタの特徴である、良い素材を大量にがっちり押さえているのでこうした事が出来るのだろう。

客の中には銃床を選ばせてくれと言うお客も居るが、当社では銃床は選ばせない、その理由としては銃の数が多く、煩雑でとても何丁もの銃を見せて対応することが出来ないからである、もう一つの理由は当社は99.9%通信販売であるため、全てのお客様に公平と言うスタンスを保っている、当社に来社されたお客様だけに優遇したのでは99.9%のお客様のい背信行為ではないか、それに、はっきり言うと、当社に来社されたお客様より電話だけで注文されたお客様の方が明らかに手間がかかっていないわけだから、煩雑なお客様により優遇するというのもおかしな話である、それと最大理由は、今時、定価の決められた銃に特別程度の良い銃床が取り付いている訳がない、銃によって例外的に綺麗な銃床が付いていると言うことは皆無であるから銃床を選択する必然性は無いのである。

安全装置ボタンはトリッガーガードの前にあるが、何故わざわざ前にしているのかその理由が解らない、使い易いという意味から言うとレミントンみたいにトリッガーガードの手前に設置するのが当然だと思うがこの辺りは設計者に聞かないと理由が解らない、ひょっとしたらこの設計者は実猟をやったことがないのかなと疑念を持たざるを得ない、ベレッタの安全は銃を構えた状態では絶対に作動させられない、従って銃を構える前、グリップを握る前に作動させなければ成らない。安全装置に関してベレッタは他のメーカーからすると明らかに間違った設計をしている。

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