ベレッタ マトーライフル - 商品紹介の中でのミニ説明

2001年10月23日 築地

マトーライフルは、ベレッタから新発売されたボルトアクションライフルである。

ベレッタ マトー ライフル
ベレッタ マトー ライフル

ベレッタブランドであるが機関部はダコタ製である。ダコタライフルは元々カスタムライフルとして有名な会社であるが、マトーライフルと同じ程度のダコタライフルならば、当社で80万円している銃である、それからすると¥451,500円と言う価格は非常に割安な価格設定である。
この銃は名銃と呼ばれたウインチェスターM-70プリ64モデルを参考に作られている、しかも初期モデルと同じように機関部は削りだしで作られている、ボルトもボデー、ボルトハンドルは一体物である。本家のウインチェスター社ではこうした製造方法では採算割れになるため、40年も前に削りだし加工からはさっさと退散してしまったのである。
初期モデルの削りだしモデルから、鍛造の地肌仕上げの物に細部を変更するなどして1964年までは何とかプリ64モデルとして製造してきたが、いかなるコストダウンをしても原価割れして、結局製造を続行することが出来なくなった、それが1964年、今から37年前の事である。ダコタ社の社長は、その削りだしM-70を再現するために、ダコタカスタムライフルの製造をスタートした。価格は80万円程度したが、それでも多くのお客の注文があった。

ベレッタ社は、このダコタにベレッタブランドの銃を注文し、マトーライフルと言うブランドで昨年のショットショーで新製品の展示をした、この段階では銃にはダコタ ライフルと刻印してあり、外見もダコタライフルと大差なかった、また価格も明示してなかったので、ダコタと同じじゃん、と言う感じで私自身も大して期待はしていなかった。

マトー ライフル 元台
マトー ライフル 元台
マトー ライフル 先台
マトー ライフル 先台
マトー ライフル 先台左側
マトー ライフル 先台左側

しかし、量産モデルがリリースされて驚いた! 価格はダコタの半値、デザインは遙かに洗練されている、銃床はレベルの高い物が採用されている。試作品の出来とは大違いである。

マトー ライフル グリップ
マトー ライフル グリップ
マトー ライフル 下部
マトー ライフル 下部
マトー ライフル 下部
マトー ライフル 下部

展示会場では試作品はショーケースに入れられているだけで、実際に手を触れてフィーリングを確かめることが出来なかった。しかしリリースされた銃を構えて驚いた!

マトー ライフル 細い先台
マトー ライフル 細い先台
マトー ライフル 細いグリップ
マトー ライフル 細いグリップ

びっくりするほど銃床はスリムに出来ている、写真を見ていただければお解り頂けるが、私がグリップを握って充分手が余る、先台にしても非常の細く仕上げられている。

銃床の寸法は、ほとんどの人が銃床は使う人のサイズに合わせて作られていると勘違いしているが、実はそうではない。

マトー ライフル シャドウチーク
マトー ライフル シャドウチーク

ウエザビーライフル等も、グリップも、先台も非常に細く作られている、私は1970~1971年までウエザビー社でガンスミスとして修行をしていたが、ウエザビー、マークVを設計した、フレッド、ジニー氏の話では、このグリップの細さが、そして先台の細さがアメリカのデザインなんだとしきりに私に力説した、確かにヨーロッパ系統の銃ではこうした細いグリップ、細い先台の銃は全く採用されていない、これは使いやすさとか、使う人間のサイズに合わせたとか、そう言うレベルの話ではなく、デザインに対する美学の問題だろうと私は考えている、それにしても特に最近は格好の悪いライフルがヨーロッパでは出回っている、ドイツのヘッケラー&コッホの新しいハンテングライフルなど、どうしても私には受け入れがたい。あれが格好いいと言う人の感性が理解できないし、そんな人とは付き合いたくもない。皆さんはどう思われますか?

ベレッタはヨーロッパの会社であるが、イタリアの物はデザイン的に非常に勝れている、パラッチ、ベレッタ、こうした会社で作られる銃はデザイン的に非常に卓越した物がある。
このマトーライフルのデザインがイタリアか、あるいはアメリカか、定かなところは知らないが、この銃の製造はベレッタUSAである、つまりアメリカにあるベレッタ社現地法人が製造した事を考えると、デザインの基礎にアメリカンライフル的デザインの考え方が底流に流れているよう思える。
現在のボルトアクションライフルはほぼ100%完成され尽くしたと思っていたが、銃床デザインでこれほどインパクトのあるデザインが出来るとは考えてもいなかった。
また新しいボルトアクションライフルの出現である。

ダコタライフルはM-70を模倣したため、引き金に関しては出来が良くなかった、プリ64モデルでも、引き金の出来は最悪である、そのため引き金だけは他の物に交換して使う人が少なくない。

マトー ライフル 機関部
マトー ライフル 機関部
マトー ライフル 機関部上
マトー ライフル 機関部上

ベレッタの場合は、引き金は最初からジュエルを取り付けている、ジュエルトリッガーは現在では最高の引き金と言われている。ダコタ、そしてプリ64の弾倉は固定式であった。しかし、マトーライフルの弾倉は着脱式弾倉に出来ている、外見上何処にもストッパーが見えないので一見すると固定式に見えるが、トリッガーガードの内側にラッチがあり、これを押すとマガジンが外れる、着脱式マガジンの場合、多くの人が予備弾倉をついでに購入するが、この銃の場合、最初から予備弾倉が1個付属で付いてくる、つまり弾倉は2個あると言うことである。

マトー ライフル 着脱マガジン
マトー ライフル 着脱マガジン

この銃の銃身を製造しているのは、ロットーワルサー、有名なカール、ワルサーの2男が起こした銃身専門のメーカーである、ワルサー社は勿論、射撃銃のファインベルクバウ社もここの銃身を使っているので命中精度としては定評のある銃身である。

機関部はダコタ、引き金はジュエル、銃身はワルサー、銃床デザインはベレッタ。

ベレッタ マトーライフル、久々の期待のライフル登場である。

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