ハンドローディングの全て - リローディング

2003年 7月 7日 築地
更新 2003年 7月 8日 築地

ライフル銃の性能を100%引き出すためには、装弾の性能が良くなければなりません。工場装弾の中にも、ラプアやフェデラルと言うような比較的命中精度の良い弾がありますが、これとてハンドロードの装弾の命中精度を超えるという事はありません。
何故ちゃんとした工場で作って、命中精度の良い装弾が出来ないのでしょう?
それは、全ての銃に最適な装弾というのは事実上作れないのです。
最適な装弾、それはその銃に合わせた特製の装弾でしか性能を発揮できないのです。
ライフル銃の銃身は、内径の公差±5/100ミリで作られます。
そもそも機械工作と言うのは必ず公差がつきものです、30口径、つまり7.62㍉を正確に加工しようとしても、必ず大きめに出来たり、逆に小さめに出来たりもします。
その公差が大きくてもプラス百分の5ミリ、小さくても百分の5ミリと言うわけです。
ですから同じメーカーの銃で、同じ銃身であっても厳密にはみんな微妙に内径が違うと言うことです。ですから同じ装弾を使っても内径の小さい銃身で撃てば、弾頭がライフリングに食い込む抵抗が大きくて火薬の圧力が高くなります。逆に内径の大きい銃身の場合、弾頭のライフリングに食い込む抵抗が少ないので火薬の圧力はあまり上がりません。
それぞれの銃身を初速で考えると、100フィート程度の違いでしかないでしょうが、命中精度には少なからず影響を与えます。日本で一番多く売られている装弾はレミントン、そしてウインチェスターでしょう。
これらの装弾は弾の威力、つまりエネルギーを重要視して作られているため、初速は早いのですが命中精度の視点から考えると少し問題があります。命中精度を重要視して考えると、少し初速が早すぎる感じがします。

世の中には装弾メーカーと弾頭メーカーがあることに着眼下さい。
レミントンや、ウインチェスターでは、弾頭メーカーの弾頭は使いません、全部自社製造です。弾頭メーカーは装弾は作りません。
しかし、レミントンやウインチェスターでは、薬莢も弾頭も火薬も雷管も販売しています。
普通に考えれば、大手メーカーが全部供給している訳ですから、弾頭メーカーは存在出来ないように思われるかも知れません、しかしアメリカには幾つもの大きな弾頭メーカーがあります。また究極の命中精度を競うベンチレスト射撃では、ほとんど家内工業の手作り弾頭が常に上位を占めています。
世間で命中精度が良くないと言われているバーンズ弾頭ですが、308ウインチェスターの場合、110グレインの弾頭を使い、4895の火薬を48グレインチャージすると、様変わりの命中精度が出ます、当然初速は3000フィートを軽く超えます。
この弾頭300ウインチェスターマグナムや、300ウエザビーマグナムに使っても効果があります。
しかしながら、困ったことにこの弾頭は今年から製造中止になりました、あまり買う人が居なかった為かも知れません。しかしマグナム口径なら130グレイン装弾でも命中精度は相応に出ますので試してみて下さい。
この様に理想的な装弾を作るには、自らリロードするしか方法がないのです。

ハンドロードの利点はそれだけではありません、むしろこれが最大の利点とも言えますが弾の値段が非常に安く出来るのです。
308ウインチェスターなら1発¥80程度、マグナム装弾なら1発¥100程度です。
装弾の値段が安いと言うことは、それだけ充分な練習が出来ると言うことになります。
射撃は弾数を撃たないと上手くなりません、それには弾代が安いことが絶対条件です。

さて、前書きが長くなりましたが、徹底的に説明するハンドロードなのでこうしたくどい説明があるのです。
くどくど書いているので読む方は大変でしょうが、書く方はなお大変です。
電話でもハンドロードの質問を受けることが多々ありますが、常識的な質問が少なくありません、そうした基本的な、そして常識的とも言える事に対して、わざわざ電話で聞かなくても解るように、出来るだけ子細に説明を試みようとして書いたのがこの記事なのです。

当社では、これ一式でいきなりハンドロードが始められると言う、ハンドロードのセットを販売しています。それはRCBSマスターリロードキット(¥59,000)とリーアニバーサリーリローデングキット(¥19,000)です。
値段が相当違うので、安い方はちゃんとリロード出来るのかと言う問い合わせがありますが、間違いなくちゃんとリロード出来ます。値段の違いはそれぞれのパーツの作り方の問題です、RCBSのプレスはスチール製ですが、リーの製品はアルミダイキャストです、また多くの部品がプラスチック製です。実用上ほとんど問題はないのですがプラスチック製の場合、火薬の定量を装填するパウダーメジャー等は、静電気を持った火薬がプレスチックの部分に付着して、指で弾いて火薬を振り落としたりする事もあります。
プレスはここまで強固にある必要は無いじゃないか! と言う思想で作られたのがアニバーサリーキットだと考えてください。しかし一生もんだからと言う考えならためらわず最高のRCBSを選択した方が良いでしょう。財布の問題と言うよりはハンドロードに対するスタンスの問題でしょうね、どちらを選ぶかは!

いずれのセットも薬莢を成型するダイスは付属ではありませんので別途にお買い求め下さい。このダイスは色々なメーカーで作られていますが、プレスに取り付けるネジ部分は全て共通です。
当社では以前はRCBSをメインに販売していたのですが、最近はレーデングをメインに販売しています、それはレーデングの方が材質が硬く、型持ちが良いからです。
シェルホルダーもレーデングの方が持ちが良いのですが、値段の問題で現在もRCBSを販売しています。

今回の記事はRCBSのセットをベースに話を進めますが、先ずはダイスの説明です。ダイスとセットで必要になるのがシェルホルダーです。
薬莢を保持する部分ですね、これは¥1,200です。

これは必ず必要な物ですからダイスを購入するときは忘れずに購入して下さいね。
シエルホルダーは色々な場面に使われます、プレスには当然使われますが、プライミングツールにも全て使われますので複数必要となります。

シェルホルダー
シェルホルダー

ダイスセットは通常2本のダイスがセットになっています。価格はスタンダード口径の物は¥5,000です。セットの内訳はフルレングスダイスと、シーターダイスです。
フルレングスダイスの役目は、薬莢の成形をすることと、雷管を抜くことです。
従って雷管を抜くためのデキャッピングピンが付いているのがフルレングスです。

ダイッスセット
ダイッスセット

フルレングスダイスからデキャッピングピンを取り外して見ましょう。
先端の白い金属の部分がエキスパンダーと呼ばれる部品です、この部品は薬莢のネックの内側を広げる目的があります。

デキャッピングピン
デキャッピングピン

この部分で薬莢を広げますので、ここに油を付けてないと薬莢を成形するたびに"ギギー"と擬音がする事になります。油を付けると言ってもわざわざコレを取り外して付けるのではなく、薬莢のネックの内側に少しだけ油を付ければ良いのです。
私は薬莢のネックの内側に少し付けますが、ブラシで付けても構いません。
しかし油を塗ると火薬を入れたときに火薬がここに付着します、付着しても弾頭を入れるときにちゃんと装填されますので問題はありません。
油の替わりに雲母の粉で出来た乾燥潤滑剤を付ける場合もあります。

乾燥潤滑剤
乾燥潤滑剤

次にエキスパンダーを取り外してみましょう。
デキャッピングピンが差し込まれていますが、コレを止めているのがエキスパンダーなのです、ですからデキャッピングピンが折れたりして取り替えるときはエキスパンダーを外して取り替えるのです。
このエキスパンダーの部分に超硬を使った物も販売されていますが、使用感はあまり違いはありません。別にこの部分は真鍮のネックを広げるだけなので別に超硬を使わなくても摩耗は発生しません。
デキャッピングピンをねじ込んでいくと、いくらか偏芯して入っていきますが、この偏芯は気にしなくて構いません。
エキスパンダーが薬莢のネックに入ると、強制的に薬莢のセンターに修正され、そのままプライマーホールに導入され雷管を抜きます、雷管が抜けないくらい偏芯していれば問題ですが、雷管が抜ければ何の問題もありません。

ピン
ピン

さて、このデキャッピングピンのアジャスト方法ですが、プレスにダイスをつけて成型します、デキャッピングピンがちゃんとした長さにセットされていないと、雷管は抜けません、デキャッピングピンを少しずつ奥に締め込んで行き、雷管が抜けたところでセットします。長すぎたからと言って特に問題は無いのですが、デキャッピングピンのピン折れの原因になります。
フルレングスダイスの取り付け。
プレスにフルレングスダイスを取り付けます。 このときにシェルホルダーとダイスの下端が隙間無く接触している状態が正常な状態です。

正常なセッテング状態
正常なセッテング状態

時折ネックサイザーの注文を受けます、ネックサイザーとはボデーは成型せずにネックの部分だけを成型するダイスです。しかしながらアメリカではほとんどネックサイザーの需要がないと見えて値段はこの2個のダイスセットよりも1本のネックサイザーダイスの方が高いのです。
何故誰も買わないのかと言いますと、フルレングスダイスのセッテングを少し変えるだけで簡単にネックサイザーになるからです。
先ず薬莢の形状をご覧下さい、如何なる薬莢も全てテーパーが付いています、薬莢を成形するときにダイスの中に薬莢を挿入します、そして少しずつ送り込んでいくと、先ずネックの部分を成形します、最初の挿入ではほとんどネック部分の成形なのです、そして最後の2ミリくらいでボデーの成形をします。ネックの部分はストレートなので先ずはネックの成型をするのです、そして最後の2ミリで薬莢のボデーはテーパーなのでここでやっとボデーの成型をするのですね。
では最後の2ミリを送り込まないとどういう事になるのでしょう。
"そうです、ネックだけを成形してボデーは成形しないわけですから、これはネックサイザーダイと同じ事なのです、お客様からネックサイザーの注文が有る度に、"私が何度もネックサイザーは要らないですよ、ネックサイジングはフルレングスダイスで出来ますと説明しても、依然ネックサイザーを買う人が後を絶ちません、そのため現在はネックサイザーダイスも置いていますが、これは全く無駄な買い物です!
画像をご覧下さい、こうしてダイスとシエルホルダーの間に2ミリの隙間を作ると、たったこれだけでフルレングスダイスはネックサイザーダイスに変身したのです。

ネックサイジングのセッテング
ネックサイジングのセッテング

薬莢をフルレングスダイスで成型する場合、必ず薬莢に油を付けなければなりません、通常はルーブリカントオイルと言う油をスポンジのパッドの上に染みこません、その上で薬莢を転がしながらボデー全体に塗りつけます。
これが一般的な方法ですが、油を付けすぎると油の逃げ口が無くなり、ショルダーの所が内側に凹む事があります。薬莢はこの常態で凹んだまま使用しても何の問題もありませんがその時は薬莢に塗る油は少し少なめにした方が良いでしょう。
ベンチレストシューターのほとんどは、ルーブリカントオイルではなく、リサイジングワックス(¥800)と言う製品を使っています。

リサイジングワックス
リサイジングワックス

これはルーブリカントオイルみたいにベタベタしません、それに使う量はごくわずかなので拭き取りも簡単です。使い方は指に塗ったワックスを薬莢に塗ります、パッドなどの上で転がしたりはしません、チョットだけ薬莢の上部に塗るだけです、上部にぬればダイスの中でワックスは下に伸びていくので結果的に薬莢全体に回るのです。
私もコレを使っていますが、出来れば皆さんにもお勧めしたい逸品です。

次に雷管の装着について説明します。
雷管の装着には色々な方法があります、RCBSのプレスには雷管を装着するパーツが付いていますのでそれを使うのも一つの方法です。これの利点はハンドプライミングツールを買わなくても言い替わりに、"ガクッ"と入ることや、スピーデーさに欠ける点にあります。
もう一つはリーのオートプライムを使う方法です、これはプレスの上にリーのオートプライムを取り付けて使う方法です、これの利点は微妙な力加減で薬莢がおかしく装填されたときには気が付くという点、欠点としては雷管の流れをスムーズにするため、時折トレイを指で弾いたりする事があります。

リーオートプライムもそうですが、RCBSのハンドプライミングルールのトレイも、同心円の○が幾つもあります。コレは何のためにあるかと言いますと、トレイの上に雷管を置いて左右にスイングさせると、薬莢は全て上向きにセットされます、これは円の端で雷管の端を引っかけて上向きにひっくり返すからです。
数分スイングさせると雷管は全て上向きになります。

リーオートプライム
リーオートプライム

あとはLPSを使った装着方法です。
これはあらかじめスリップに装着した雷管を利用して雷管を装填します、力のかかり具合も微妙に分かりますし、シエルホルダーがアジャスタブルのため、薬莢ごとに交換する手間がかからないことがありますが、スリップに装着する分二度手間になります。

LPSプライミングツール
LPSプライミングツール

しかし、最初からスリップ装着の雷管も販売されていますのでそれを使えば簡単ですがね。
一番多く出回っているのはハンドプライミングツールでしょう、これは手で持って使う分使い勝手が良く、雷管の流れも簡単に調整できます。

RCBSハンドプライミングツール
RCBSハンドプライミングツール

次に火薬の装填ですが、これにはパウダーメジャーを使います。
私個人はレーデングのパウダーメジャー(¥25,000)を使っています。
調整のダイヤルに目盛りが付いているので、微妙な調整が可能です。

レーデングパウダーメジャー
レーデングパウダーメジャー

パウダーメジャーの下に長い透明のチューブが付いています、これは同じ量の火薬を装填した時、ネックからこぼれる様なときでもちゃんと圧入されるのです。
「え、ネックからこぼれる位装填する?」そうです、ちゃんとした命中精度を出すためにはそうした装填も必要なのですが、それは後で説明します。

タンブリングチューブ
タンブリングチューブ

パウダーメジャーでセッテングした火薬が何グレインか調べるためには、デジタルスケールを使います、勿論付属のリローデングセットにも天秤のスケールが付いていますのでそれを使っても構いません。しかしながら海外に遠征に行ったときはこうした電気製品は使えませんのでその時はパウダースケールの目盛りを目安にします。

デジタルスケール
デジタルスケール

アメリカの大会に行くと、射手同士が火薬を何グレインと言う替わりに、目盛りでいくつと言う言い方をしていますので、それに慣れれば結構重宝です。
パウダーメジャーとセットで使われるのがパウダートリックラーです。

パウダートリックラー
パウダートリックラー

これはトリックラーのダイヤルをクルクル回すと、火薬が数粒ずつ送られて0.1グレインの計量が可能なツールです。お客様から注文がある度に、パウダートリックラーは必要ないですよと説明していたのですが、あまりに注文する人が多いので現在は在庫で置いて販売していますが、はっきり言って必要のない道具です。
確かに0.1グレインずつ計量できるのですが、ハンドローデングの場合0.5グレインの誤差は全く着弾に影響しません。
念のために今年開催されたベンチレスト射撃、カクタスシュートのローデングの現場写真をお見せします。

カクタスのローディング現場
カクタスのローディング現場

ベンチレスト射撃は究極の命中精度を競う大会ですから、みんな最先端の技術を持って大会に参加しています、画像を見て貰うとお解りいただけますが、誰もデジタルスケールやパウダートリックラーを使っていないのがお解りいただけるでしょうか、全員がパウダーメジャーだけです。これで私の言うことがご理解頂けたでしょうか。
お客様からの注文があれば、黙ってトリックラーを売れば良さそうなものですが、「お客に不必要な物は売らない」と言うのが私のポリシーですから致し方ありません。
こうしてわざわざ説明して注文が来ないように努力しているのです。

さて、弾頭のシーテングですが、シーテングダイスを取り付け、弾頭を手で押さえながらゆっくり弾頭を押し上げていきます。
弾頭が薬莢に挿入されるときには、ほんのわずかな抵抗が在りますのでそれを「感じて」下さい。何故感じることが必要かといいますと、それを感じないような荒っぽいシーテングをしますと、装弾のショルダーの部分が外側に変形します、見た目では気づかないほどのわずかな変形ですが、コレを自動銃などに使うと、間違いなく薬室で噛みこんで装填するのも排莢するのも出来なくなってしまいます。ご注意下さい。

シーテングダイス
シーテングダイス
装弾の変形
装弾の変形

弾頭をシーテングしたときに、多くの皆さんが気にされるのはその長さです。
ローデングブックに細かい寸法が書いてある物があるので、気にされているのだと思いますが、はっきり言って「この寸法はどうでも良いのです」弾倉に入る長さであればいくつでも構いません、自動銃の場合はちゃんと回転する長さが最適な寸法です。
装弾の全長はデーターブックの寸法に惑わされる必要はありません。
それと同じようなレベルですが、薬莢の寸法を調整するケーストリマーも必要ありません。
私は308ウインチェスターを使う時は一度もケーストリマーを使用したことはありません。
銃器を作っていた立場で言いますと、薬莢の先端と薬室の寸法の部分は2ミリ程度のクリアランスがとられています、従って薬莢が2ミリ伸びても実用上は何の問題もないのです。
少なくとも薬莢が伸びて装填不良になったという事例はほとんど聞いたことがありません。新型のRCBSマスターリロードセットから、このケーストリマーが除外されましたが当然の事と私は思います、しかしながらネックターニングしたり、几帳面な性格の方はケーストリマーを使われるので一応在庫はしてあります。(¥18,000)

弾頭をシーテングしたとき後に、間違った弾頭を付けた、あるいは火薬を間違えた、その他色々な理由で弾頭を抜かなければならないこともあります。
相当数の弾頭を抜かなければならない場合は、ブレットプーラーを使うと良いでしょう。

ブレットプーラーはプレスに取り付けて使います、ブレットプーラーは(¥4,300)弾頭によって内径の違うコレットが必要ですが、コレットは(¥2,800)です。

ブレットプーラー
ブレットプーラー

ブレットプーラーにはハンマー式のキネックブレットプーラもありますが私は推奨しません(¥3.950)何故なら1回では抜けなくて最低2回叩かないと抜けないのと、結構な音がすると言うことです。
あまり大量の弾頭を抜かない場合は、弾頭をペンチで保持して、シェルホルダーで保持した装弾を下に下げると簡単に抜けます。これならブレットプーラーを使わなくても簡単ですからお試し下さい。

弾頭をペンチでつまむ
弾頭をペンチでつまむ
そのまま薬莢を下げる
そのまま薬莢を下げる
抜けた弾頭
抜けた弾頭

次に油を付けないとフルレングスダイスに薬莢が焼き付きます。
無理して薬莢を抜こうとするとリムがかけてしまいます。そうしたケースを抜くのがスタッグケースリムーバーという道具です。
簡単に説明すると、焼き付いた薬莢にドリルで穴を空けて、それにタップを立ててネジの力で取り外そうという訳です。
所がこの部品は¥4,300するのです、それなら最初から新品のダイスを買った方がお買い得です、時折フルレングスダイスだけと言うご注文が有りますが、残念ながらどこの会社もフルレングスダイスだけの販売はしておりません。

さて次にローデングに実際について説明してみましょう。
ローデングブックを開くと、使用する弾頭と火薬、何グレインチャージすると初速がいくつになると書いてあります、またこれ以上入れてはいけないと言うマキシマムロードも書いてあります、しかしながら色々な会社のローデングデーターを比較すると、その数字は微妙に違っています、従って本当のマキシマムは自分で調べるしかないのです。
火薬量を1グレインずつ増量していくと雷管が徐々に潰れてきます、マグナム口径の雷管などマキシマムでなくても平たく潰れています。
スタンダードカートリッジでマグナム装弾並みに雷管が潰れていたら一応それは限界の一歩手前くらいの領域です、それ以上火薬を増量していくと撃針痕の周りにクレーターと呼ばれるバリがセリ出てきます、これはもう限界です、このあたりが事実用のマキシマムロードです、これから薬量を少し減して使用されれば良いでしょう。

先程パウダーメジャーの所で、透明チューブの話をしました、透明チューブを使うと薬莢のネックからあふれる火薬でも、ある程度圧入出来るのでネックぎりぎりで装填できます。
ネックの上ぎりぎりまで火薬が有れば、どう見ても弾頭の底部で火薬を圧入すると言うことになります。火薬を弾頭の底部で圧入すると言うと、たいていの人が「大丈夫ですか?」と怪訝な顔で尋ねられます。
重たい弾頭を撃つときは火薬量が少なくなりますが、軽い弾頭を撃つ場合は多くの火薬を装填します、と書きましたが、これは誤記では在ありません、でも常識で判断するとちょっと意外ですよね、重たい弾頭の場合は火薬を増量し、軽い弾頭の場合は火薬を減量してと言うのが一般的な考えかも知れませんが、軽い弾頭の場合初速が早くなるので火薬の量を増やさないと燃焼が追いつかないのです。そのため308口径の場合、125gr程度の軽い弾頭の場合、火薬量はネック一杯まで来るのです。

スピアーのデーターを参考にしましたが、ローデングデーターをお見せしますのでご覧下さい、薬量の右にCと書いてあるのはコンプレシードロード、つまり火薬を圧入すると言うことなのです。火薬は圧入しても安全なのです、勿論燃焼速度も変化しません。

コンプレシードロード
コンプレシードロード

ターボタンブラーです。(¥19,000)
薬莢を研磨する機械ですが、モーターの振動で薬莢とメデア(トウモロコシの芯を砂状に粉砕した物)をタンブラーの中で擦り合わせ汚れを取り除く装置です。
通常は10時間くらい連続運転するようお奨めしていますが、私自身は24時間かけっぱなしにしています、いくらかけすぎても薬莢の寸法がマイナスする事はありません。
308ウインチェスター薬莢なら1回で200個磨けます。

タンブラー
タンブラー

何故薬莢磨きを推奨するかと言いますと、カーボンの付着した薬莢を使うと、そのカーボンが薬室に付着して薬室が荒くなってしまうからです、ボルトアクションの場合排莢不良になることもあります、スライド式ライフルですと薬莢の張り付きになります。自動銃ですと回転不良の原因にもなります、そうした理由から薬莢を使った後は必ずタンブラーでクリーニングすることを推奨します。

タンブラーでクリーニングした後は、セパレーターと呼ばれる、振るいにかければメデアは簡単に除去できます、メデアを入れるバケツまで付属で付いています。
タンブラーには、メデア、セパレーター、バケツ、そしてメデアに入れるクリーナーまで付いてます。

セパレーター
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