換銃身について - パーツ&アクセサリー

2000年 1月11日 築地


レミントンの換銃身

散弾銃用の換銃身の場合、多くの場合メーカーで生産される純正部品を取り付けるので特別注意を払うことはないがレミントンの換銃身の場合、LCとSPと書かれたモデルがあるのでそれぞれの銃身について説明をしておきます。

LCと書かれた換銃身、そのLCの意味はライトカウンターと言う意味です、日本語で言うと軽量銃身、つまり銃身の肉厚が少し薄く作られているモデルなのです。
スタンダードの銃身を使っている銃にLC銃身を取り付けるのには問題はありません、しかしこれの逆は出来ません。しかしながらスラッグ用の換銃身の場合、すべてスタンダード銃身しか存在しないので、これをLCタイプの銃に取り付けると、先台の銃身が接触する部分で当たり先台を奥までセッテングすることが出来ません、その場合、先台で銃身と接触する部分をほんのわずかサンドペーパーで削り落とす事が必要です。
銃身と同じ太さの丸棒に(銃身を使うことも可能です)サンドペーパーを巻いて、それで先台と銃身が接触する先台の先端部分を0.5ミリ程度研磨すれば先台が入るようになります。昔はスタンダードばかりで、なぜ現在はLCバレルが作られるようになったかと言いますと、銃身素材の改良が進んで銃身の肉厚を0.5ミリ削減しても同じ耐圧が得られるようになったからなのです。
しかしながらスラッグ銃身の場合、対応する銃身の安全係数の圧力が高すぎるのでLCカウンターの銃身は作れないのです。常識的な事ですが、スラッグ弾はインプシリンダーの交換チョークを取り付けて使うように出来ているのですが、間違ってユーザーがフルチョークを使っても銃身の耐圧が大丈夫なように作られているからです。
フルチョークを使った場合、弾頭にかかる抵抗が異常に強くなり圧力もあがりますが、その状態でも安全なように作られているのです。
SPの銃身は銃身がサンドフラスト仕上げで全体的につや消し仕上げに出来ているので表面が綺麗に研磨されているプレミアーのモデルの銃につけると違和感があります、しかし寸法的な問題はありません。

ライフル銃の換銃身

シーレン、ハート、リルジヤ、クルーガー等の換銃身のメーカーはライフル用の換銃身の素材を作っているメーカーです。元々銃のメーカーでは最初から銃身のついた完成銃を作っているのでライフル用の銃身だけを作ってはたしてビジネスになるのかと考えがちですが、メーカーで作られる銃身よりもさらに高精度な銃身を作ることによりこれらのカスタム銃身メーカーはビジネスとして成功しています。
では何故その相違があるのか説明してみます。
レミントン、サコー、ウインチェスター、等々、メーカーで作られる銃身はすべて冷間鍛造と呼ばれる方法で作られています。
これはガンドリルで穴あけした銃身部材に、コアーと呼ばれる超硬で出来た芯金を入れて、これを周りから押し付けてライフリングを付けるのです。
芯金には最初からライフリングがつけられています。
銃身の部材の直径は40ミリあるのですが、コールドハンマーと呼ばれるこの機械に通すと細く絞られ直径は30ミリになって出てきます、当然銃身にはものすごい圧力がかかっています。機械から出てきたときは触ると大やけどをするくらい強烈な加工熱を発しています。加工時には強烈な音もしますのでイアープロテクターなしでは加工現場に居ることはできません。ライフリングの部分は加工硬化と言って表面の0.5ミリくらいは硬度も硬くなります。こうして加工するので銃身部材全体に歪みが生じています。
機械から出てきたこの段階ではストレートの30ミリの丸棒なのでこれからならい旋盤にかけて銃身の形状に加工して銃身として完成します。
コールドハンマーでの最大の製造利点は量産が容易だと言うことです、当然コストも安くなりそのため大量に銃を製造するには欠かせない設備です。
しかしながらこの製造方法で作られた銃身は、実際に使用するときにはあまりにも細すぎる銃身の場合連発して銃身の温度が上がってくると、ほんのわずかですが、銃身が曲がってきて狙点がずれてくることがあります。これがコールドハンマー製造方法の欠点です。

カスタムバレルメーカーで作られる銃身の場合、これらの欠点が改善されています。
カスタム銃身の製造方法ではコールドハンマーは使いません。
ガンドリルであけた銃身部材の中にボタンと呼ばれるこれまた超硬で作られた芯金に油圧をかけて押し出します。その時にライフリングが作られるのです。
この製造方法の場合、銃身部材にはそれ程のストレスはかかりません。
しかしそれでも少しのストレスは存在していますので、調質と言うやり方で銃身のストレスを抜きます、この方法は加工の済んだ銃身を800~600度の釜にいれて少しずつ温度を下げながら24時間くらいかけて常温まで戻します、そうすると銃身部材のストレスは全部抜けてしまいます、メーカーで手間がかかりすぎるのでやりません。
そうして出来た銃身の内径を整えるため銃腔の内径と同じになるように棒の先端に鉛を長さ2センチくらい流し込み、それに研磨材をつけて気の遠くなるようなラッピング作業をします。そうして内径の仕上がりが整った銃身がカスタム銃身と呼ばれる物です、命中精度は抜群の命中精度を示します。

100メートル離れて5発の弾を撃ったとして全弾小指の爪の中に入るでしょう。
300メートル離れて5発の弾を撃ったとして全弾10円硬貨の中に入るでしょう。

この驚異的な命中精度の詳細についてはリンクを張ってあるベンチレスト射撃協会のページをご覧頂くと容易にご理解いただけると思います。
いろいろな換銃身メーカーがある中で銃身の薬室とねじ切り外形の仕上げまでの完成銃身としての加工をしてくれるところはシーレン社だけですので当社ではシーレン社の換銃身だけを取り扱っています。完成銃身の値段は¥79000です。
世界最高品質の銃身がわずか¥79000ですから安い値段だと思います。
国内でいろいろ高い銃身が存在しているようですが、これらの銃身以上に高性能の銃身はありません、従いまして¥79000以上の銃身は全く無駄な出費です。
ただし、銃身交換をご自分でやられる場合はかまいませんが銃身交換を当社に依頼される場合は銃身交換費用¥20000が別途かかります。
シーレン社で完成銃身の製造をしているのは、レミントン、サコー、ウインチェスター、ウエザビーだけです、それ以外の銃は個々の銃身ねじに合わせるため国内で加工します。
ねじ加工の部分がさらに¥10000加算されます。

銃身のカウンター(外形寸法)、口径、カートリッジ、ライフリングツイストなどは自由に選択できます。
換銃身ですから現在所持している銃と異なる口径の銃身の製造も可能ですが、ボルトヘッドが異なる、スタンダードカートリッジとマグナムカートリッジの併用は出来ませんのでご注意ください。
また弾倉から装弾が上がってきて薬室に送られる、いわゆるフィーデングの問題があるためあまりにも形状が違いすぎると問題が生じます。
たとえば30-06のネックダウンである270ウインチェスターの場合は問題ありません、308のネックダウンである243も問題はありません、300マグナムから7ミリマグナムの変更も問題ありません。
それ以外のカートリッジ間の相性については電話でお問い合わせください。 

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