釧路も、いいんでないかい - 射撃

2003年 9月 8日 築地

東京都内に住んでいますと、近郊の射撃場に行こうとしますと、最低でも1時間半はかかります、行楽シーズンによっては2時間、あるいは3時間と言うことも例外ではありません。

北海道の釧路に300mのライフル射撃場が出来たというので早速出かけてみることにしました、釧路までは飛行機で1時間20分、飛行場から射撃場までは車で5分、なんと東京都内からは、時間的に言うと一番近い射撃場と言うことになります。
驚いたことに射撃場は100万坪と言う私有地内に建てられています、100万坪という単位の広さはは、都内の住民である私には到底想像できません。
当社のご近所には岩城滉一さんの家も、長島一茂さんの家もあり、この辺りの坪単価は法外と言うか論外な値段なのですが、100万坪と言われますと、思わず地価の計算してしまうのは私の悲しい性なのでしょうか。

ここの射撃場は元々川口屋の射撃場だったのを、埼玉の峰岸さんが購入して、趣味の延長線上の様な射撃場を作ってしまわれたのです。
これだけの敷地を購入して設備を作り、射撃場の売り上げだけで運営できているとは到底思えませんので、色々財政的には持ち出しで運営されているのは無いでしょうか。
今回はライフル射撃場のレポートがメインですが、この射撃場は元々散弾銃の射撃場がメインで、私が訪れた前の週まで世界選手権に出場するクレー射撃の強化合宿が行われていました。
私の専門はライフルですが、折角クレーがあるのでクレー射撃も楽しませて頂きました。

画像を見て貰うとお解りいただけますが、射座には屋根がありません、これは経費をケチって屋根を付けないのではなく、ヨーロッパの射撃場と同じ雰囲気にしているためにあえて屋根を付けていないのです。
シドニーオリンピックの射撃場も屋根はありませんでした、シドニーオリンピックのレポートを参照して頂くとお解りいただけますが、弾を置く台すら置いてありません。
大体外国の射撃場はこんな作りなのです。

オープン
オープン

従って、日本の射撃場みたいに射撃をしようとしてしている射手の手前では後ろを通るのを控えて待っているなんて習慣は外国にはありませんね、別に射手の真後ろを通るわけではありませんから、大回りして歩けば撃とうとする射手には何の影響もないではないからです。

ルート
ルート

私が撃っているのはトラップですが、私の横に見えるのはスキート用のクレーハウスです、つまりこの射撃場はトラップとスキートの兼用射台なんです、これも一見するとセコイ作りみたいに見えますが、外国の射撃場はこうした射撃場が非常に多いのです。
射台は3面ありますので、内地の射撃場なら、ためらわずトラップ2面、それも1面は初心者用に遅い設定にするでしょう、そしてスキート射撃場1面と言う作りにするはずです、しかしながらここはトラップは全部公式設定です。
セコイ作りでやって居るわけはないと言うことが簡単に理解できます。

トラップ
トラップ

100万坪と言う広大な敷地のおかげで、射撃場には欠かせないバックストップと言う目障りな物がこの射撃場にはありません。
空に向かって撃つ快感があります、この空に向かって撃つ快感、下手なSEXより余程気持ちいいですが実際に皆さんがそう感じられるかどうかは保証の限りではありません。
女房とのSEXの方が気持ちが良かったと言われても、私は責任は取れません。

クレーの飛び出したすぐは、バックの森のグリーンに色が浮き立ち、はっきりと視認できるのですが、空の領域に入ると空の明るさに負けてクレーが視認できにくくなりますのでクレーの飛翔ラインはクレーが飛び出たときにしっかりと把握しておく必要があります。

視認
視認

プーラーハウスは射手のズーット後ろにあり、これも射撃をするのに全く目障りになりません。

プーラーハウス
プーラーハウス

参考までにスキート射撃をしている人達の画像も紹介しておきましょう、この画像でスキート射撃とトラップ射撃の配置が良く分かると思います。

スキート射撃とトラップ射撃の配置
スキート射撃とトラップ射撃の配置

この射面のさらに奥がライフル射撃場になっているのです。
ライフル射撃場の公認は7月12日に交付されておりますので、出来立てのほやほやなのがよくお解りだと思います。

ライフル射撃場の公認
ライフル射撃場の公認

ここのライフル射撃場はバッフル式ですが、何よりも評価したいのは標的交換の為の観的壕を設置しなかったことです。警察の指導を安易に聞くと、安全のために標的交換の観的壕を設けがちなのですが、これを作りますと、観的壕にゴミと水が貯まり、射撃場として最悪の状況になります。またそれの管理費用も馬鹿になりません。
ここの射撃場では標的交換の時はお互いの安全を確認して前に出て標的交換をします、外国の射撃場はほとんどこれですし、安全上、実用上、何の弊害もありません。

バッフル式
バッフル式

射撃場のオーナーがここまで考えてやったかどうかは不明ですが、射座の上はかまぼこ型のテントで覆われています。こういう開放的な設計ですと発射音が室内にこもりません。

かまぼこ型のテント
かまぼこ型のテント

射撃場で最悪なのは狭い室内で、土管の中に銃を入れて撃つ方法です。
射撃場は出来るだけ開放的に作りませんと、音が室内にこもり快適さに欠ける事になります。ここの射撃場は音が外に逃げてくれるので非常に助かります。

射座の雰囲気は清潔でゴミもなく、快適に射撃が出来ます、ここの射撃場自体は風が吹いているのですが、5射座の左右に土手がありますので、こういう射撃場の場合、弾道に対しての風の影響はほとんどありません。
また射撃場全体が明るいですので、300mの標的もベンチレスト射撃用スコープを使えば、完璧に弾痕を確認することが出来ます。

ベンチレスト射撃
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