おいでやす! 京都国際射撃場 - 射撃

2003年10月26日 築地

京都国際射撃場は、ナショナルチームのトレーニング射撃場でもあり、射撃場の環境や設備はピカ一の射撃場でもあります。
昨年の夏も、個人的な夏休み射撃遠征でもここに寄せてもらいました、ですから今回の訪問は2回目と言うことになります。
前回、京都を訪問した折りは、國友さんから「京都に来る時は必ず声をかけろ」ときつく言われていたのですが、京都独特のしきたりで、来いと言われてノコノコ出かけていくと、「ほんとに来たの?」なんて嫌みを言われないかと、私の様な小心者は要らぬ心配をしてしまい、2回目の京都訪問でやっと國友銃砲に顔を出すことが出来ました。
言うまでもなく國友さんは、スコープのシュワロフスキー、装弾のフェデラル、エレー、銃器のワルサー、等々の総代理店の社長で流通業界の頂点の立っている人です。
ひるがえり、私は言うまでもなく流通業界に反旗を掲げる平行輸入業者ですから、本当の事を言うと利害関係が対立する立場のですが、私と國友さんの関係は、お互い利害関係が対峙する以前からのお友達としてのお付き合いですから、このコラムを読んで業界関係者の方々はお怒りに成らないようにお願い申し上げます。

さて、今回の京都行きには一つだけ目的がありました、それはアメリカの射撃チームの専用装弾であるフェデラルの紙ケース装弾をテストしてみる事なのです。
この装弾は値段が通常の倍すると言うことで、何処の銃砲店でも取り扱いをされておりません、幸いに國友さんの会社には現物が有ると言うことなのでそれも京都行きを決めたと言う経緯の一つなのです。

新幹線で京都に到着すると、早速タクシーで國友銃砲店に向かいます。
京都はタクシーが安いですね! 1000円もしない料金で本社に到着です。
この安さも、価格破壊のMKタクシーが原因でしょうかね?
最近は猟銃の値段も昔よりは相当安くなっていると思いますが、これは当社の影響が少なからずあると自負しています。
余計な話をしましたが早速装弾を購入して、射撃場に出かけます。
今回のテストの為に、愛銃のメルケルと、ペラッチを持参しました。
写真はメルケルと、フェデラル紙薬莢装弾です。

メルケルと紙薬莢装弾
メルケルと紙薬莢装弾

この日はお天気が良くて絶好の射撃日和です。
ガンマニアの私は、銃が雨に濡れるのが大嫌いで、体の心配よりも銃の心配の方が先に立ちます。
フェデラルの紙薬莢装弾、射撃した最初の感想は「反動が軽い」と言うことです。

射撃開始
射撃開始

私が普段使っている装弾よりも反動が軽く感じます、撃った感じで弾の初速は1400フィート出ているようで、他の弾との初速の違いはないので、同じ初速で反動が軽いと言うことは火薬の燃焼が緩やかで、銃身内の散弾の加速が非常にスムーズだと言うことなのでしょう。ライフルの場合は同じ初速でも、火薬の圧力上昇が早いと「カツン」と言う反動になりますし、圧力の上昇が急激でなく淡々と圧力が上がる場合は「トン」と言う感じの軽やかな反動になります、いずれの場合も初速は同じですから、撃った感じは柔らかい方が射撃の感じは断然感じは良くなります。
言うまでも有りませんが、二の矢を撃つ感じも反動が軽い方が違和感がありません。
射撃中に解ったのですが、今までの装弾と明らかに雷管の臭いが違います。
撃った後、空薬莢の臭いを嗅ぐと簡単に解ります。
多くの人はその臭いは火薬の臭いではと勘違いされますが、それは雷管の臭いです。
それが証拠に散弾も火薬も全部除去して、雷管だけを激発しても同じ臭いですから、雷管の臭いに間違いありません。
いろいろな装弾を撃った後に、空薬莢の臭いを嗅ぐのは私の性癖ですが、ほとんどの装弾は、雷管の臭いはほとんど同じです。
基本的な成分は同じと言うことが言えます。
唯一、共産圏の腐れ弾等は異質な臭いがしますが、これは商品の出来が悪いからでしょう。事実、共産圏の劣悪な装弾で、弾頭と火薬を抜いて雷管だけで激発させて放置させておくと、一週間で保証付きで銃腔内に錆がでます。
共産圏の腐れ雷管の臭いは何か「ツン」と鼻に来る感じですから、酸性ガスが発生しているのかもしれません。
フェデラルの雷管の臭いはこうした嫌な臭いではないのですが、他の装弾の臭いとは明らかに違った臭いをしていますので、火薬の成分が違うことは間違い無さそうです。
私はメルケルとペラッチで、國友さんはペラッチで撃ちまくりましたが、私は反動が軽いと言う印象を受けましたが、私の射撃を見て、國友さんは「二の矢の威力が落ちない」と言う印象を持たれたようです。
紙薬莢装弾は、散弾が全て銅メッキされています、これが弾道上影響があるのかどうかはまだ解りません。

國友さんと
國友さんと

当日もそうですが、別にこの装弾を使ったからと言って満射が撃てた訳ではないので、別段装弾により成績が左右される程の影響は無さそうですね。

紙薬莢装弾とプラ薬莢装弾
紙薬莢装弾とプラ薬莢装弾

10ラウンド位の射撃で射撃終了し、國友さんの会社の火薬庫が近くにあると言うので見学させてもらった。
東京近郊の銃砲店の火薬庫というと、6畳くらいのスペースがせいぜいですが、國友さんは打ち上げ花火をやったり、装弾、火薬の総輸入元ですから、現場に行ってその規模に圧倒されました、とても写真に写しきれないので、火薬庫の隅っこの一部だけを撮影してみました。

ここにはどでかい火薬庫が4棟建てられていまして、1棟の火薬庫に、火薬にしたら40トン、装弾にしたら6000万発が収納できるそうです。
6000万発X4棟ですから、2億4000万発になります、1円儲けたとしても2億4000万円です、儲けが1円と言うことはないでしょうから、10円儲けたとしたら24億円、これを年に4回転したら、「嗚呼、考えるだけで息が止まりそうです」
どうやら、とてつもない金額を儲けているらしいことは何となく國友さんの艶々した顔色で解りました。

弾だ
弾だ

今回の京都行きには、銀座銃砲の安齋さんも同行されました、安齋さんと國友さんとは装弾、火薬の関係で取引関係にありますが、それ以前に我々は三名とも昭和21年生まれで、飲み友達でもあります、三名が顔を合わせれば、当然にして宴席と言うことになります。
今回は日本の奥座敷京都に出かけたのですから、京都の奥座敷祇園に出向く事になりました。そういう訳で祇園の奥座敷「美濃幸」に出かけます。
祇園の御茶屋さんは、何処も一見さんお断りですから、我々は國友さんが居なければ歯牙にもかけられません。
お茶屋さんから「またおいで」とつれなく追い返されるところです。
美濃幸の奥座敷の広さからは想像出来ない様な、密やかな入り口から入り、足下をぼんやり灯す明かりの中の水を打ったばかりの飛び石の路地を抜けると、光を押さえた広い玄関が「どどーん」と忽然と現れ、「あらー、お兄ちゃん、おいでやす」と仲居さんが空気の中を泳いで出てこられます、どうやら國友さん、相当な顔みたいですね。
てな訳で、朱漆塗りの、20名くらいは楽に座れそうなとてつも長い机が用意された奥座敷で宴会が始まります。

こういう画像を公開するのは、お二人にとって非常に迷惑なのは重々承知で公開させて頂きますが、事前に画像公開の承諾を頂こうとすると間違いなく拒否されると思いますので、
お二人とも会社がお休みの間に公開しちゃいましょう!

安齋さん
安齋さん
國友さん
國友さん

安齋さんとは長いお友達関係ですが、今までどんなに飲んでも、泣き言も、自慢話もされません、今回の祇園でも、泣き言も自慢話もありませんでした。「当たり前ですかね?」
安齋さんは「白玉の歯にしみ通る秋の夜の、酒は静かに飲むべかりけり」と言う雰囲気で静かに飲まれていました、國友さんも何時も紳士的な酒を飲まれます、この画像での國友さんは、財布の中身を見ておられるのか、手帳を見ておられるのか詳細は不明ですが、何やら財布のご心配をされている様に私のような貧乏根性の人間には見えてしまいます。

今回の勘定は國友さんに、おんぶにだっこに肩車という感じで、頭からしっぽまで全部お世話に成りました。
祇園では我々一見さんには勘定書が回って来ないシステムに成っていますので、これは私にとっては非常に良きシステムだと思います。

舞妓さんと
舞妓さんと

私も舞妓さんの踊りを見たり、芸子さんとの会話を楽しんだり大満足の私でした。
そして、月はおぼろに東山~~と流れる舞妓さんの踊りの中で、祇園の夜はシンシンと更けゆくのでありました。

ブランド
カテゴリー
ページの先頭へ