防弾のお話 - その他銃に関する情報

2003年12月12日 築地

昨日、やっと小泉総理が自衛隊派兵を決定してくれて、まともな国民の一人としてやっと、ホッとしたところです。

それにしても、マスコミの派兵反対の攻勢はもの凄いですね、国民にインタビューと言う姑息な手段を用いて、全員が派兵反対と言うコメントを連日流し続けていますね、こんな作為的な報道を聞いていると腹が立ってくるのでさっさとチャンネルを変えますが、こういう偏向番組はさっさとチャンネルを変える、私のような常識を踏まえた視聴者が居ると言うことをテレビ屋さんにも理解して貰いたいですね。

こうした報道の中には、お約束の様にお馬鹿な家庭の主婦みたいなキャラクターが出てきて、自衛隊員を危険な場所に行かせると言うことは心配だとか、ノータリンな事を喋っていますよね。
こういう人たちは自分の家が火事になったらどうするのでしょうかね?
火事場みたいな危険なところに、消防隊員を派遣するのは危険だから、とでも反対するのでしょうかね? 不思議な人たちですね、こういう発言に嬉々として報道するテレビ屋も不思議な人たちですね、完全に「常識」と言う脳細胞が破壊していますね。

かつて、山本五十六元帥は、兵を100年養うは1日これを使うためにあると言われていますが、こういう時こそ自衛隊の出番だとおもうのですがね?
だれもこういうコメントする市民は居ないように思えますが、こういうコメントをした場合はデレクターの判断で全部カットするのでしょうね、コメントを求める全員が全員、ノータリンだとは思えないので意図的に作為的な報道を流しているのでしょうね。
過日、TBSで石原都知事が韓国の併合についてコメントしたら意図的に発言内容をねつ造して180度違った発言に作り直しましたが、結局視聴者からの指摘、当人の石原都知事の指摘で簡単にバレましたが、TBSのニュースをみたら、「聞き間違いをして放送したので謝りました」とシャーシャーと報道していましたが、ねつ造報道と言うことについて一切知らん振りを決め込んでいて、これが犯罪と言う事をひたすら隠蔽していました、TBSは以前にもオーム事件の時の虚報を報道し、またもやったかTBSと言う感じでしたね。

かつて、私は日本テレビの報道について放送法違反で訴訟を起こしましたが、テレビでは特集としてニュース報道の中で3,4回連続して報道してくれました、そのおかげで、売れ行きの止まった下らない玩具を、テレビ報道のおかげでさらに4億円分販売した事実がありました。
テレビ屋さんもこうして旨く利用するとビジネス的にもかなり効果的に使えます。

さて、話が飛びましたが、防弾鋼板の話に戻します。
イラクの派兵が決定したおかげで、これで日本もテロリストからのテロの攻撃から避けられなくなりましたから、防弾扉を販売すると言う新しいビジネスが立ち上がろうとしています。

それは在外公館、あるいはそれに準じる施設に防弾扉を取り付けると言うビジネスです。
しかしながら防弾扉は何もテロリストのためだけの物ではありません。

ヤー様関係の皆さんも導入を検討されてはいかがでしょうか?
ヤー様関係の業界の方は、是非ともこうした防弾扉を備えて来たるべき組同士の抗争の為に是非ともお備え下さい。

防弾扉と言う位ですから銃弾を止めるのが目的ですが、アメリカの防弾鋼板のスペックではこれらの仕様がレベル1からレベル8までありまして、一番レベルの低いのは拳銃弾を防弾出来れば良い性能です。レベル8と言うのは、M-14を使いフルオートモードで3発フルメタルジャケットの308銃弾を止める事が出来れば良いのです。
レベル8、これが防弾鋼板の最高レベルです。

随分昔ですが、私は日本テレビの取材でボデーアーマーの貫通実験撮影をしたのですが、ボデーアーマーの貫通実験でライフル弾頭としては一番弱い部類に入る6ミリPPCで撃ったら、前も後ろも簡単に貫通しました。
それよりもさらに昔ですが、ベトナム戦争当時、兵隊の兵員輸送に使われていた兵員輸送車両ですが、キャタピラが付いていて一見防弾鋼板も完璧の様に見えますが、輸送車自体の重量制限があったらでしょうかね、あの防弾板は全部単体のアルミ製でした。
ですから、機銃掃射やライフル銃の射撃で簡単に穴が空きましたね。
当時ベトナムの戦場から、数百台の兵員輸送車両が三菱重工相模原工場での修理のために横浜のノースピアに送られてきていました。当時、私は米軍に銃器を輸出する仕事でノースピアに頻繁に出入りしていたので、荷物の搬入をお昼時にすると事務所がお昼休みでお休みなので、その時間をぬって、そうした兵員輸送車両を色々見て歩きました、それは凄かったですね、死体こそありませんでしたが、軍靴が片方転がっていたり、血が流れていたり、内部は酷かったです。防弾板と言っても、1枚の板だと思いの外弱い物なのです。

防弾と言う事について全然知識がないと、一般の人たちは単純に厚い鉄板を使う事が思い浮かぶのでしょうか、確かに厚い鉄板を使えば防弾としての効果はあります。
しかし、これは一番非効率的な防弾装置の考え方なのです。
単板の場合、衝撃波が鉄板全体に伝わるので、その部分の金属組織の破砕が起こりやすいのです。

これが戦車の場合ですと、戦車砲のサボット弾頭や、ヒート弾頭の直撃を受けると防弾鋼板は貫通しなくても、内部の剥がれた鋼板が砲塔内を飛び周り、中の兵隊はミンチ状態になります、そのために防弾鋼板は単体の鋼板ではなくて積層鋼板を使用するようになったのです、戦車の砲塔が丸みのある物は単体の防弾鋼板で作られた物、これだと中の兵隊さんはミンチになりますが、砲塔は平面の物で組み合わせられている物は積層鋼板ですから安全なのです。

防弾扉を製造する某メーカーから防弾鋼板製造の話があり、技術的なコメント求められたので3種類の防弾鋼板の図面を見せて貰い、事前に確認しますと、ライフル実包なら全部貫通するレベルなので、そのとおりに説明したら、相手にはとても信用してもらえませんでした。なぜならば38口径の拳銃弾を阻止できる鋼板を4枚も使っているからです。

技術者は絶対的な自信を持っていましたが、私は貫通すると説明しました。
私は貫通すると主張し、技術者は貫通しないとお互い絶対の自信を持っていました。
致し方無いので私が実験で証明してあげることにしました。

機密に属する事なので些細な説明は出来ないのですが、メーカーで用意した防弾鋼板は3種類ですが、その3種類とも全部貫通しました。
確かに拳銃用の防弾鋼板を数枚使って作ったそうですが、残念ながら作り方が間違っていました、だから貫通したのです。
貫通実験した後で、正しい防弾鋼板の設計方法について説明してあげました。

以下、防弾鋼板についての設計の基本概念です。
防弾鋼板と言うことで、単純に厚い鋼板を使うのは一番幼稚な発想なのです。
確かに厚い鋼板ならライフル実包を止めることは出来ますが、同じ防弾効果を得るのであれば、もっと薄い鋼板でその効果が実現可能なのです。
防弾効果を出来るだけ上げるには、防弾鋼板をより変形させれば良いのです。
弾の入り口はともかく、出口の変形が大きいと見た目の問題もありますから、防弾鋼板の内部での変形を大きく考えれば良いのです。
ですから防弾鋼板の内部に使うのは鉄よりもアルミの方が効果的なのです。
そして単純に積層するよりもそれぞれの鋼板の間に空間を空けておく方がより効果的なのです。
ではその理由を説明します。まず防弾鋼板の1枚目の鋼板弾頭が命中した時点で、出来るだけ弾頭を変形させる形状の方がいいのです。
変形した為に弾頭の断面積が増えますよね、そうすると面積あたりのエネルギーは減少することになります。断面積が倍になれば面積当たりのエネルギーは半分になりますからね。

そして断面積が増えた状態で出来るだけ柔らかい物で受け止める事によりさらにエネルギーを減少させます。ですからこの時点では鉄板よりアルミの方がより効果的なのです。
同じ鉄板であっても引っ張り強さが強い方が、防弾効果がより効果的なのは言うまでもありません。コストの事を考えると使えないのですが、アルミの代わりに、その何倍も引っ張り強さに強いケブラー繊維を使用すると、さらに効果的です。
防弾鋼板の中を、鋼板と鋼板の間に空間を空けておきますが、これは弾丸と鋼板の変形をより大きくするための空間です、この空間に砂などを詰めておくこともさらに効果的です。
砂は弾頭の変形をより大きくします、また中間に入れる物はセラミックを使うと言う方法もあります。
また鋼板を熱処理と圧延によって一定方向の引っ張り強さを増強する事も効果的です、そして、その一定方向の強度を増した鋼板を互い違いに組み合わせるのもさらに効果的です、つまりベニア合板の積層と同じですね。

一応軍事機密ですが、自衛隊の最新式戦車は鋼板をベニア式に積層してその後にセラミックを挟んで、また防弾鋼板を積層しています。この防弾鋼板ですと105ミリ砲弾は充分防弾できます。戦車砲のヒート弾頭も、サボット弾頭も阻止することが可能なのです。
戦車砲に使われている防弾鋼板が目下のところ最強の防弾鋼板ですが、一般市民には無用の長物ですね。またチタンを使った航空機搭載の防弾鋼板も研究が進んでいます。

嗚呼、またマニアチックなコラムを書いてしまいました。

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