ブッシュ政権とガンビジネス - コーヒーブレイク

2001年 1月23日 築地

今回のアメリカ大統領選挙ほど我々ガンビジネス業界の関心を集めた選挙はありませんでした、特に日本からこの選挙戦の行方を見ている人間にとっては、クリントン政権時代、銃による規制がどんどん行われ、日本への輸出許可の取得でも昔と比べてかなり煩雑になった事を実感しているので、ブッシュ政権に落ち着いてやっと一安心と言う感じを持っていた。プレスルームで、プレスでも無い私がターク高野氏に逆インタビューしたところ、

タークは私の考えている、(ブッシュ政権になるとガンビジネスはもっと良くなる)と言う推測と全く逆の事を言った。ターク高野氏は30年以上にわたり雑誌GUNに記事を書いているライターなのだがそれ以前にシーレンバレルのエンジニアだったし、ガンスミススクール時代の関係等々、この業界に取っては相当な事情通である、実際彼と会場を回るとかなりのブースで"ターク、ターク、"と声をかけられる、一流メーカーにはほとんど知り合いが居り、実に顔が広い、彼の紹介で私があるメーカーの社長と契約して、さてデポジット(予約金)はいくらですかと聞いたら、ターク高野の紹介ならデポジットは要らないと言われて驚いた、この業界では大した顔である。おっと話がそれたがターク曰く、昨年は勿論それ以前、つまりクリントン政権下では、銃は売れに売れたそうである、事実私も銃の輸入に関して如何に現物を確保するかで四苦八苦した、これはアメリカの景気が良いから売れているのだと解釈していたが現実は必ずしもそういうことでは無いらしい。
クリントン政権下では、犯罪者に対してはほとんど効果の無い政策をして、銃を正規に所持している人間には厳しく当たるクリントン政策をしてきた、こういう状況が続くと"世の中どうなるか分からない"と言うような、なんとなく社会的に不安定な雰囲気が多くの人を銃の買いに走らせたそうである。

今までの歴史の中で銃砲業界が最悪だったのは、なんとレーガン政権の頃だったそうである、レーガン大統領はNRAのライフメンバーだったし、自らが狙撃されても銃規制の法律は作らなかったし、銃器関係者に取っては最高の大統領だったのである、また軍事関係にも大きな予算を振り分け、軍事拡張競争をして経済的に軍事破産に追い込みソ連を負けに味合わせた大統領である、誰が考えてもレーガン政権下では銃器産業は潤いそうな物だが、ドッコイ、世論はレーガン大統領に対して、安心できる大統領、軍事力に力を入れ、治安を回復してくれた大統領と言うことになり、逆に多くの人が自らを守るために"銃を買いに走る"と言うことが無くなったのだそうである、勿論今みたいな訳の分からない銃規制などは全く無いのだが、この時が銃器業界にとっては最悪の年だったのである。であるからして、ブッシュ政権の誕生はレーガン政権下の過去を知っている業界関係者にとっては、何となくアメリカのマーケットに暗雲が漂っているような不気味さがあるのだと思える。

逆にブッシュ政権になったのだから、場当たり的に作ったとしか思えないようなクリントン政権時代の訳の分からない銃規制がすべて撤廃されるのかと思ったら、やはり一度出来上がった法律だから、これを規制緩和の方向に持っていくことはないと言うのがタークの意見であった、従って銃規制は従来とおり、多くの人が銃の"買い"には走らないという銃砲業界には最悪の社会情勢! 銃砲業界は当面頭の重い展開になるかも知れない。 

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