満射を撃ったその時は - 射撃

2003年12月 2日 築地

ボクは満射撃つ事なんて滅多にないので、あまりこうした心配をすることはないのですが、かと言って、全く満射と言うアクシデントに遭遇しない訳ではありません。

何しろ週に2回、10ラウンドずつ、1年を通じて毎週射撃をしているのですから、結果的に相当な数を撃ちますので、たまたま25発連続して命中する事はままある事なのですね。

自分一人撃っている時は気にしないで良いのですが、他の人たちと一緒に撃っているときなど、満射を撃つと全員から拍手されたりしますよね、仲間同士で来たときは口笛を吹いてくれたりもしますよね、射座の後ろでは仲間達で大騒ぎに成る事もあります。

肩をたたかれたり、頭をなでてくれたりすることもあります(それは無いか)

その時はどういう風に反応したらいいのでしょう? 

ドウモといって軽く会釈するのが良いのでしょうか。

でもそうすると「満射なんか撃ち慣れているもんね」てな具合に他の人に見られないでしょうか?

それとも国会議員の亀井静氏みたいに苦虫を噛みつぶして、おまけに正露丸も噛みつぶしたような顔をして「ウム」という方が良いのでしょうかね?

そうすると、この野郎!「気取りやがって」なんて思われないでしょうか?

ではVサインを出して小躍りしたらいいのでしょうか、でもそれだと転がっている薬莢を踏んで、転倒し、転んだ勢いで頭を打ってバカになったら困りますね。

満射を撃ったときは快事なので喜ぶべき事なのですが、満面笑みを浮かべると言うのも大人気ないですね、そうすると照れ隠しに笑いを殺すと言う事になり、他の人から見ると不機嫌な様子に見えたりもします。満射を撃って不機嫌になると言うのも不自然ですよね。

あまりに笑いをこらえると涙が出たりしませんか? 涙を流すと「満射を撃っただけで泣くな」と言われてしまいますね。

この様に私は満射を撃ったときの反応は場慣れしていないだけに反応に苦慮します。

オリンピックを見ていた時は、オリンピック選手達は満射を撃っても、撃った当人も、周りの射手も、何事もなかったように当たり前の表情で、当たり前に対応していましたね。

このクラスになると、満射を撃つのが「日常」ですから当たり前に対応できるのでしょうね。本当はこういう雰囲気の方が気楽で良いのですが、何せ、満射は私にとって「非日常」ですから撃った当人もオロオロしてしまいます、ナンダ、ナンダ、ドウシタ、ドウシタ、と言う風に狼狽えてしまいます。

不思議なことに満射と言うのは鼻息を荒くして、肩を怒らせて、「ようし、満射を撃ってやる」なんて気迫を込めて挑むと最初の1発から外してしまったりしますね。

かと言って気を抜いて射撃すれば、また最初の1発から外れたりしますね。

気持ちを入れて、しかも淡々と撃っている時に、思わず満射がポロッと出たりします。

満射を撃った後は、誰が何と言おうと次も満射、つまり50満射を内心意識してしまいます、これも淡々と撃てれば可能なのでしょうが、悪魔が耳元で囁きます「あと*枚で50満射だね」そうすると、ついつい1枚1枚のクレーを丁寧に狙いすぎて、その結果銃の振りが遅れたり、タイミングがずれたりして、射撃はボロボロになり、悲惨な結果となります、スコアーボードに目をやると、やっぱり自分は普通の人だったと思い知らされる事になります。

40年射撃をしてこの体たらく、でもまた週末が来ると、いそいそと射撃場に出かけてしまうのです。

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