ぺラッチSOC - 実鉄砲自慢

2003年 1月25日 築地

前回書いたメルケルは、いずれも高いグレードの物は気の遠くなるような徹底的な摺り合わせをしてあると書きました。
しかしながら、ペラッチに関しては高い製品も安い製品も全部同じ作りなのです。違いは少しだけ磨きが良くて、良い銃床材料を使い、単に彫刻などで芸術的な付加価値を付けたかどうかにすぎないのです。
私は現在ペラッチSCOサイドプレートを使っているのですが、通常のMX8とどこがどう違うのか実際に使いながら確認したいという好奇心もありました。
良い物と悪い物を比較する場合、たとえば安い肉と高い肉を食い比べる、安い酒と高い酒を飲み比べる、そうすると何が良くて何が悪いか、体験的に理解することが出来ます。
体験じゃないと、物の本を読んでも、人の話を聞いても本当の所は正確には解らないじゃないですか、やはり自分で試すのが一番です。
それに、第一自分で使わないと、人に説明するのに説得力が無いではないですか、実際そうして使ってみると、今までペラッチについて語り継がれてきたことが、嘘だったり、逆に以外と知られていない面も解るようになってきました。
今回はそうした諸々のペラッチに関する話をしてみたいと思います。

写真はSCO専用のガンケースです、恥を忍んで書きますが、銃を車のトランクに仕舞おうとして、別の事を初め、そのまま収納するのを忘れ、車を動かしたため、このガンケースを車で踏んでしまいました、ガンマニアとしては心の痛むことしきりです。
思わず、心の中で"痛い"と叫んでしまいました、当然銃は修復不能とあきらめたのですが、なんと無傷でした、このケース、外側は皮ですが本体は金属で出来ているようです。
大したモンだと改めて感心したケースです。

SCOケース
SCOケース
箱の中
箱の中

ペラッチのMX8は、正規代理店が独占的に販売していた頃は、何と、190万円していたのです、現在の当社の価格は64万5千円ですよね。
あまりに価格差が大きいので全く同じ鉄砲かと疑いたくなるでしょうが、正真正銘同じ物です、例えば同じMX8、現在のアメリカでの価格は$9,500です。為替を120円で計計算しても、114万円です。これからしても正規代理店が輸入していた価格は法外だし、当社の値段も法外に安いと言うことになります。
常識的に考えれば、アメリカの値段がまともな値段と言うことですね。
当社の、こうした異常に安い値段が何故可能なのか、それは秘中の秘なのですが、書きたがりの虫がうずうずしていますので思い切って書いちゃいます!

 ペラッチは、名前の割には小さな会社です、ベレッタと比較すると像とあり程度の比較です、ベレッタはアメリカの軍用拳銃を作っている会社です、当然他の国の軍用銃も生産しています、ひるがえり、ペラッチは射撃専用の上下2連銃だけを作っている会社です、自動銃すら製造しておりません。従って日本の中小企業と同じで、年中資金繰りは厳しいはずです。ですから正規代理店と言っても、数を買わない代理店などイタリア国内の卸値段と同じ程度でしか売りません、逆に言うと相応の数を注文すると、相当な無理が利きます。
当社のペラッチの販売丁数と言うのは、日本国内では一番でしょうが、世界的に見ればとるに足らない存在です、実はそう言う会社が世界中にはたくさんあります。
最近はインターネットでも共同購入と言うシステムが流行っているでしょう、私はあれに
着眼しました。そうだ!力の無いところが結集して共同購入すれば安く買える!
私はそう思ったのです、それで外国のある会社に相談して話を持ちかけました。
そこで、試しに1億円分のペラッチを全額前金で購入したら幾らにしてくれるか相談しました、全額前金と言うことは、当社の注文する銃の銃床は全部特別注文ですから納品は最低でも6~10ヶ月後ですからこの間充分な資金繰りが出来ます。
何社か集まれば1億円分の注文も不可能なのです。
すると驚くべき価格を提示してくれたのです、些細な金額は秘中の秘ですが、当然日本の正規代理店価格より安いはずです、もっとも1億円分の銃を当社1社で購入する訳ではありません、それだからこそ共同購入なのです。
共同購入の展開が開けると具体的には資金計画が必要です。
これが最大の難問だったのですが、ある時、三井住友銀行からDMが来て中小企業の皆さんに低利で融資しますとあります、駄目元でFAXしたら担当が飛んできて、決算書との納税証明を持って帰りました。それから3日後に4000万円融資すると言うではありませんか、それも無担保、金利は2.9%です。
銀行の担当者に些細な事情を聞くと、今までは担保に対して融資していたが、現在の様に担保が目減りして不良債権になっている、その反省から、担保融資ではなく、企業の業績に対して融資すると言うのです。その時は真面目に税金を納めていてヨカッタと思いました。その4000万円がペラッチ購入資金になったのは言うまでもありません。
これが現在のようにペラッチをお安くできた秘密です。

ですから正規代理店の190万円のペラッチも、当社の64万5千円のペラッチも全く同じ製品なのです。

日本では昔から銃は贅沢品だと見られてきて、法外な値段で売られてもそれが法外だと理解できない国民性がありました、悪く言えば無知だったのでしょうね。
40年前、国産の乗用車は幾らだったでしょう?ご存じですか?
その当時同じ車がアメリカでは日本より安く売られていたのです、しかし現在では乗用車の価格差はありません。それが経済の本当の姿だと思います。
ペラッチは当社がリーズナブルな値段まで価格を引き下げましたが、しかしながらまだまだ高い製品が国内でも流通しています。例えばウエザビー社の上下2連銃、これはSKBのOEM製品ですから、アメリカ国内で販売されている価格から演算すれば、ウエザビーのごく標準のモデルでも7万5千円位で工場から出ていると思われます。
アメリカで販売している値段の50%~40%が工場出荷価格だと私は思います。
それからすると、SKBの国内価格は随分高いですね。
ミロクも残念ながら安いとは言えません。 
唯一のライフルメーカー、ホーワライフルも、アメリカでの2000年版販売価格は$435.00ですから為替120円で計算しても\52,200でしかありません。
工場出荷価格を40%と計算すると、僅か\20,880です。しかしながらカタログ誌、スポーツガンに掲載された石井銃砲店のホーワライフルの値段をみると、一番安いホーワ製の銃でも¥223,000です。この価格体系、なんか狂っているとしか私には思えないですね。
さもなければあまりにもユーザーを馬鹿にしているように思えてなりません。

この様に流通を整理する事により、銃の値段はもっともっと安く出来るのです。
日本では銃の所持者が少ないから、警察の規制が厳しいから、色々な屁理屈は言えますが、世界的なレベルで考えて、東京は例外にしても、一つの県に数カ所も射撃場のある国はそうそうありません、間違いなくアメリカより射撃できると言う環境は良いはずです。
確かに警察の規制も度を超しているとは思いますが、それでも運転免許よりはハードルは低いと思います。
ですから銃の値段を安くする事が唯一、この業界の発展に繋がる事だと信じます。

横道の話の方がメインテーマになりそうで本当に困ってしまいますが、今回はペラッチの話なので本題に戻ります。
ペラッチの高い銃と安い銃の違いですが、銃砲店の人が与太話を言った為でしょうか、それとも無知な射手が出鱈目を言ったためでしょうか、ペラッチは値段によって金属材料が違うと言う説が真しやかに流れています、噂の範疇であっても誰も否定しない、おかしな空気が漂っています、私がSCOを使っているので断言できますが、使用感において材質の違いはありません、それははっきり断言できます。
私は、元々銃の製造に携わっていたので、銃の金属材料については相応の知識は持っています、金属材料が違うという話が、仮にペラッチの人間から出たとしても、それはイタリア人特有の、よく言えばおおらかさ、悪く言えば無責任、それに何でもありがたがる日本人体質、それらが一体となって作り上げた虚偽の話です。
ペラッチの機関部の素材は全て鍛造から作られます、クロームモリブデン鋼の素材を炉で真っ赤に焼いて、プレス機を使って、ドンドンと叩いて、大まかな成型をします。
解りやすく言えば日本刀の鍛錬と同じですね。
鍛造というこの行程は金属の組織を緻密にして強度を上げる目的と、加工しやすい形に成型するのが目的です。銃砲店のカタログや広告を見ますと、****は特別な金属材料を使ってと言う記述を見る事がありますが、クロームモリブデン鋼材の鍛造品これこそが銃の材料として最良の物なのです、クレーンのフック、よく工事現場で見かける物です、あれは絶対強靱な製品でないと大変な事になりますよね、だれでも常識で判断できると思います。
あれが、クロームモリブデン鋼材の鍛造品です。
さらに強度を上げるために、バナジュームを添加した、クロームバナジューム鋼材という鍛造品もあります、クレーンのフック、あるいは身近にあるスパナ等の製品がそれです。
ただし、クロームバナジュームだと機械の加工特性が悪く、寸法がちゃんと出来ない、あるいは加工痕汚いと言う欠点があり、銃器の材料としては現在殆ど使われません。
名もない小さなメーカー等が、当社の材料はもっと良い材料で値段も高いと、特性も違うなどと、的はずれな宣伝をしているのを時折見かけますが、そう言う会社に限って鍛造の製品は使わない物なのです、何故なら、鍛造品を作るには相応の数量と金型が必要だからです。
これが出来ない会社が、当社の材料は特別だと吠えているだけです。
この事からしても、ペラッチが銃のグレードに応じて金属材料を変えるというのが、如何におかしな話かご理解頂けるでしょうか。古今東西銃色々な銃器メーカーがありますがグレードに応じて金属材料を変えている会社は存在しないのです。
材料を変えると、加工刃物から切削速度、挙げ句の果ては油まで変えなければならないのです、これは加工現場では常識以前の常識なので、わざわざ取り立てて言うレベルでは無いのですが、念のため説明しておきます。

ペラッチを購入する人から一番聞かれる質問が、ベレッタと比べて耐久性はどうですかと? 言う事です。
ここで銃の耐久性と言う事について説明してみます。
上下2連銃の銃身と機関部というのは別部品から出来ています、当然ですがね!
お互いは組み立てて使用しますが弾を装填すると言う作業があるので、お互いの作動性と言う問題もあります。しかしながら銃身と機関部は装弾を発射するという目的の為に作られていますから、お互いが装弾の発射にともなう圧力に耐えなければいけません、つまり、銃身と機関部は火薬ガスの圧力で分離しようとする動きが発生しているのです、高い銃ほど、あるいは設計が良いとされる銃ほど、その圧力に耐える面積が多いと言えます。そのメカからすると断然ペラッチの方が優れているのです。
まずペラッチのその耐圧部分を説明します。

銃身のロッキング部分
銃身のロッキング部分
ロッキングの厚み
ロッキングの厚み

まず機関部と銃身の支点、ここに圧力がかかりますが、この部分の出っ張りはベレッタよりペラッチの方が大きくなっています、それに薬室のサイドに設けられたロック部分、ここも大きな力を受けます、従来の上下2連と言うのは、メルケルも、ブローニングも全部銃身の下にこれが有ったのです、思い出して頂けましたか?

機関部のロッキング
機関部のロッキング

これを薬室の横に配置したのがペラッチの偉大な所です。ロック部分を薬室の横に配置することにより、機関部自体をコンパクトに出来ます。機関部がコンパクトと言うことは軽いと言うことです、機関部が軽ければ銃のバランスが良くなります、少なくとも好みにバランスに調整しやすくなります。いままでブローニングタイプの上下2連しか無かった世界で、このメカを考えたペラッチは本当に偉大な存在です。
それからすると、このペラッチのメカをそのままパクッた様な銃が多数出ていますが、基本構造はパクリながら、無理矢理内部を設計変更しているため結局ガラクタな銃になっています、私は全く評価しないのですが、それでも結構買っている人も見かけます。
物まねで作って、オリジナルを超えると言うことは殆どあり得ないことなのですが、人が使っていない物を使いたいと言うので有ればそれはそれでその人の認識でしょうね。
私は、上下2連はオリンピックで使った物しか売らないと言うスタンスをとっています。私はそれが一番正常だと思うのですがね。

オリンピックと言えば最近、ペラッチはオリンピック選手用に特別なチョークを密かに作り、それを極限られた人にしか販売しないが、**社にはその特殊な銃が入荷した、価格は200万円と高いが、ファーイーストなら幾らで入りますかと言うメールが数回舞い込んだ、これも詐欺まがいの商法だと思うのですが、シューターと言うのは純朴な人が多いのかよくこんな話に簡単に乗せられると感心してしまいます。
いまや、オリンピックと言うのは非常に大きなビジネスの場と化しています、そのオリンピックで密かに特性のチョークを作って、一部の人だけに販売している???????
常識で考えれば解りそうな物ですが、もしオリンピックで使われて、そのチョークが本当に効果的で、メダルでも独占できる程度の製品なら、私がペラッチの社長なら、絶対、それこそ絶対と言う言葉が1000回続くぐらい絶対を言った上で、"密かに売る"なんて事はしませんね、当然にして、大々的に宣伝して売りまくります、それこそがビジネスの常識、王道ではないですかね。またパターンが良いとか、色々な話を聞きます。パターンが良いと言うことはコロンが短いと言うことなのでしょうかね??????
騙される人が居るから騙す人も出てくるのでしょうが、射撃を、銃器を愛する人間として銃を利用して詐欺まがいのビジネスをするというのは悲しい事ですね。

ペラッチのトップレバーはひねった状態でロックされます、これはSKBみたいにロックしないとクロスボルトに銃身が激突すると言う防止策の為では無く、ロック部分を引っ込めて置くことにより、銃身を閉鎖したときに軽く閉鎖できる様にしているためです。
従って、間違ってトップレバーが戻っているときに銃身を閉鎖しても何の問題も起きません。私のSCOはサイドプレートであり、サイドロックではありません。サイドロックと言うメカが作られたのは、フィールドで簡単にハンマースプリングが交換できると言う利点のためです、しかしながらその分、工作が面倒になるので値段も高くなると言う寸法です。
しかしながら純粋にメカニズムの観点から考えると、スプリングもハンマーも、全ての部品を片面だけで支えているわけで力学的に考えても合理的な考えではありません。
力学的に合理的なのは、機関部の中で左右のピンで支えられたボックスロックが最良です、しかし、ボックスロックのハンマースプリングを交換するには銃を全分解しないとできない、ブローニングなどはその構造ですよね。
しかし、ペラッチは引き金部分を脱着出来るようにしてしまったのです、この機構の設計や製造が困難という物ではなく、全くコロンブスの卵的発想です。
引き金が外れると言うことは確かにスプリングの交換は容易だが、さりとて撃針が折れれば、やはり完全分解しないといけないので、あまり大した意味は無いように思うのだが、日本の総代理店は、引き金が外れると言うのを利用して、スペアーの引き金を付けて販売しました、190万円と言うのは、正確に言うとスペアートリッガー付きで190万円です、当社の価格はスペアートリッガーの付いていない値段で64万5千円である、日本総代理店の名誉のためにあえて記述しておきます。

しかしながら私のペラッチは、今日に至るまで未だにスプリングも撃針も折れていないので、分解掃除以外で引き金を取り外した事は過去に一度もありません、付属のトリッガーなどは全くの無駄と言うほかありませんが、未だにスペアートリッガーを希望される方も少なくないので別部品としては販売しています。スペアートリッガーの取り外しは、セフテーの目一杯前進させるとロックが外れ、下に外すことが出来る、ところが新銃の内はこのロックが堅く、容易な力では外れません、親指の指紋が無くなるのではないかと思うくらいの力を出さないと動かないのです、ペラッチを購入したお客様から、引き金を外してくださいと言われる度に気が萎えるます。

引き金取り外し
引き金取り外し

ペラッチは銃身を折ったときにハンマーがロッキングされます、そのメカを少しお話ししよう。
銃身を折ると銃身に附いているレバーを下げる部品が機関部に組み込んであるレバーを後ろに押し上げる、このレバー機関部の内側と裏側からお見せしよう。

引き金
引き金
引き金レバー
引き金レバー
機関部サイド
機関部サイド
機関部内側
機関部内側

銃身を折ることによりこれらの一連の作動が完了するのですが、これらの作動をするために作動部分、特に接点の所には非常に大きな力がかかるのです、この部分は絶対に油を切らさないようにして頂きたい、私は通常のガンオイルではなく、グリースを使用しています。
ペラッチの凄いところは、全てが機械加工で出来ているのに機械の加工痕が全く無いと言うことです、こう書けば、メルケルもそう言っていたではないかと言われそうですが、メルケルの場合全て手作業でやっているので、特定の銃身と機関部はぴったり合うのです、しかし当然の話、銃が変われば合わないですよね。
ところが、ペラッチの場合、別の銃の銃身を持ってきてもビシャリと合うのです。
これは驚異的な精度で、一見手作業で出ているように見えるこれらの填めあわせが、すべて機械の研磨作業で出来ていることを意味しています、研磨作業だと3/1000ミリまで加工できますからね、また完璧な平面度も再現できます。
残念ながらこの作業を手作業でこなすのは不可能な事なのです。
試しに、私のSCOとグレードに違うMX8の銃身をはめてみた、"ビシャリ"と結合する。
お見事と言うしかない出来映えなのである。

銃身の互換性
銃身の互換性

ペラッチの銃を購入されるお客様から、銃身の重さを聞かれることがよくあります、トラップ銃の場合、1.55キロ、スキート銃の場合、1.5キロくらいが標準の重さなのですが、もっと軽い銃身の物はありませんかと聞かれることがありますが、私としてはあまりお奨めしたくはないのです、そのために銃身の作り方を少し説明しておきましょう。
銃身はパイプから作られるのではなく、鍛造された鋼材から、銃身の中にロングのドリルで穴を空けるのです、機械工作が解る人なら簡単に理解出来ると思いますが、30インチもの長さを一方からだけ空けると出口は必ず偏芯して出来上がるのです。穴の開いた後はその穴を中心にして外形を切削するので、皆さんの手元にある銃は入り口も出口も真心に穴が開いているはずです、当然ですがね!
ところが銃身の中心の所は必ずどちらに偏芯していることになりますよね!
元々出口は偏芯していたのですから。これがどれくらい偏芯しているか外見上からは全く解らないのです、ですからむやみに細くすることは非常に危険なのです。ですから銃身の外径を削るとき一定の寸法で削ろうとしても銃身材料のクロームもモリブデン鋼材は、切り子が刃物に絡んだりする事が多々あります、そうするとそこの部分が深く削れたり、あるいは切り子のために傷が深く付いたりする事もあります。
これが同じ鉄でも快削鋼と呼ばれるような材料なら綺麗に削れるのですが、粘りのあるクロームモリブデン鋼材は削り難いのです、少し専門的になりますが銃身の様に長い材料を削ると言うことは、旋盤加工で非常に面倒な加工なのです。

銃身がストレートならまだ加工方法があるのですが、銃身と言うのは薬室部分は太くて銃口は細いですよね、こうした作業はさらに面倒になります、従って加工途中でバイトがかんだり、切り子が絡んだり、従って傷の付いた銃身素材は外径をより研磨しないと傷が除去できません、逆にほとんど無傷のまま出来上がった銃身は外径の研磨が少ないのでトラップ銃の場合など1.65程度の重さで仕上がります。ですから銃身の重さは重量で指定されても作ることは困難なのです、しかしながら傷が深くてたまたま軽くできる物はありますが、トラップの仕様で1.5以下と言うのは事実上耐久性の問題で作る方も売る方も抵抗があるのです。しかしながら他のメーカーでは1.5以下の銃身も存在しますが、こうしたメーカーの銃は、銃身が膨れたり、銃身が抜けたりした事例があります。

そんなとき、銃身が軽いから仕方ないね! なんておおらかな考え方をしてくださるお客様は皆無です、我々の感覚からすれば、軽い銃身でたまたま異常高圧の弾に遭遇するとそういう事が起こるのは当然のことなのです、こういうクレームを持ち込まれたくないからペラッチも軽い銃身は作らないし、私も売りたくないのです。
あまり、こういう事を"売り"にするメーカーには信頼は置けないし、私はこれを"売り"にはしたくないのです。

彫刻左
彫刻左
彫刻右
彫刻右
彫刻下
彫刻下
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