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バーンズ弾頭は命中精度が悪いの?

2000年10月11日 築地
更新 2000年10月13日 築地

私がバーンズ弾頭を輸入したのは、マグナム弾を至近距離で使った場合、通常の狩猟用の弾頭だと初速が早すぎるために爆発現象が起き、弾頭全体が瞬時に粉砕されるために獲物が半矢になるためそれを防止する目的で全体が純銅で構成されたバーンズ弾頭を輸入するように成ったのである、バーンズ弾頭の場合いかなるスピードで弾を撃ちだしても弾頭が粉砕することはない、そのために造られた弾頭なのである。

もう少し解りやすく説明すると、 "マグナム弾を近距離で撃つため" の弾なのである。

北海道ではでは尾白鷲の個体保護のために鉛弾を狩猟に使うのが禁止されたため、にわかに純銅の弾への関心が高まってきたが、それにつれて弾頭のことをよく分かっていない人が勝手な事を雑誌に書いたり、色々な噂を流したりする人がいるため、バーンズ弾頭は狩猟に使えなく粗悪な弾だと言う話が流れてる、真偽を確かめるため昨日10月9日は長瀞射撃場でベンチレスト射撃協会の大会が有ったのでそこで実際に私が撃ってみることにした。

使用した銃はサコー75、口径は7ミリレミントンマグナム、これはこの口径が一番命中精度を出すのが難しい口径だからである、300マグナムならもう少し命中精度が良くなるはずである、勿論308ウインチェスターならさらに命中精度が良くなる。

私はこのサコー75にリューポルドの3倍~9倍のスコープを使った、ごく標準的な実猟用の銃である、使用した薬莢はレミントン製の7ミリレミンマグナム薬莢、弾頭はバーンズXLCコーテング弾頭、弾頭重量140グレイン、火薬はIMR4350を72グレイン装填した、この弾を300メートルで射撃した、3発の試射をした後に10発の射撃をした、使用した標的は300メートル公式標的を使った、標的は射撃場によっては色々勝手な標的があるので、あえてドイツ製のエーデルマン社製の標的を使った、これなら公式300メートル競技で使われる標的しかないので一番解りやすい。

人のいないところで撃てばあまり真実性がないので、命中精度にはことのほかうるさいベンチレスト射撃協会のメンバーの立ち会いで撃つことにした、射撃の試合中なら一番真実性があると考えたからである。

結果、10発射撃の内、全弾を9点圏内に命中させる事が出来た、鹿なら全弾心臓、又は頭に命中している事になる。同じ距離で私はベンチレストライフルを使い、500円硬貨なら全弾命中させる事が出来るので、それからするとバアーンズ弾頭は確かに当たらない、300メートルで鹿の頭の頭に命中させる事は出来るが、それ以上の命中精度は出せない、しかしこの程度の命中精度が出せない人はバーンズ弾頭が当たるとか、当たらないとかを語る資格はない、そういう方はまず腕を上げる事が先決ではないだろうか? 

腕を上げると言うことは射撃テクニックだけの問題ではなくリローデングテクニックを含めた総合的なテクニックである、以下そのテクニックをご説明しよう。

命中精度を出す秘訣

1,データーブックのマキシマムロードは越える事!

バーンズ弾頭はその弾頭の特性として初速が高くないと命中精度が出ない、今までみたいに中速度域では思いの外当たらない、多くの方がこの結果を以て当たらないと判断しているのかも知れない。

多くの人が十分に初速を上げない最大の理由は弾頭メーカーが出すデーターブックの弊害がある、アメリカは訴訟世界である、そのためデーターブックには本当のマキシマムロードより相当下回ったところでマキシマムロードとしてあるのが現実である。

私は7ミリマグナムに140グレインの弾頭を使い、4350を72グレインチャージしたと書いたが、念のためバーンズのデーターを読んでみると、マキシマムロードはたったの59グレインである。

私の弾頭は初速3300フィート出ているが、データーブックの初速は3022フィートである、これでは当たらない。

勿論私のローデングでもプライマーが抜けるにはまだまだ余裕がある、従って本当のマキシマムロードは74グレインくらいではないかと思われる、この様に実際のマアキシマムロードは遙かに高いレベルにあるのである、ですからデーターブックのデーターをそのまま信じて、中速域で弾を撃ちだすと、バーンズ弾頭は当たらない。

2,フライヤー対策

数発は非常に良いグルーピングを出す弾も、5発に1発、あるいは3発に1発とんでもないところに弾が飛ぶことがある。これをフライヤーと呼ぶ。

多くの人がこの1発は何らかの人為的なミスにより外したと思いがちだが、実は火薬の相性が合っていないために起こる現象なのである、一般の人には初めて聞くことだろうがベンチレストシューターなら誰でも知っているごく当たり前の現象である。

このフライヤーがどのような原因で起こっているかはまだ原因は解明されていないが、対策としては火薬の装填量を変えるか、火薬を別な火薬に変更するかで回避することが出来る、こればかりは実際に実験するしか方法がないのである。

バーンズ弾頭を300メートルで公式標的の9点圏に当てることが出来ない人は、今後バーンズ弾頭が当たるとか、当たらないとか、偉そうなことは言わないようにお願いします。

しかし命中精度に関して誰にも引けを取らないと言う自身のある方は是非ともベンチレスト射撃協会の大会にご参加下さい、100メートルで1ミリ、300メートルで5ミリ位がトップを狙えるレベルです、勿論バーンズ弾頭を使ったのではこんなグルーピングは出せません、バーンズ弾頭は当たらないからです、すくなくともこんなには


更新 2000年10月13日

バーンズ弾頭の命中精度について書きましたら、北海道伊達市の長野さんから連絡がありました。長野さんは毎年1000発のバーンズ弾を購入されるお客さんです。

長野さんに命中精度の事を聞いてみたら、長野さんは単なるハンターですが100メートルで1~2センチ以内に集弾するそうです。

初速は何と、3570フィート出されています、バーンズ弾頭は初速を上げると突然良く当たるようになります。(実はこれが秘訣なのですが)

長野さんは、昨年仲間の見ている前で600メートルの鹿を4頭連続して倒されたそうです、そして昨年の捕獲数は250頭とのことです、これで年間1000発の弾を購入される理由が解りました。

念のため申し上げますが、長野さんが連続4頭倒されたのは有害駆除期間です、250頭の捕獲は親子で捕獲された総数ですので誤解の無いように。

長野さんが射撃場で試射されているときに狩猟界に原稿を書かれた方が来られて長野さんの2センチに集弾した標的を御覧になって "雑誌に嘘を書いたことになったな" としみじみ感想を言われたそうです。

長野さんはフェールセーフも試されたそうですが、バーンズ弾頭の方が性能は良いとのことです、フランス製のナンダラカンダラと言う弾はテストされたそうですが弾道性能が良くなくて長距離になると威力が激減すると言われていました、私はまだ試していないのでコメントは出来ませんが。

この事実からして、バーンズ弾頭が当たらないと言った方は自らの腕の未熟を公表しているような物です、今後バーンズが当たらないと言った人の意見はあまり参考にしない方が良さそうです、こういう人達はあまり腕は大したことなさそうですから。 

銅弾(バーンズ弾頭)について

2000年 2月 2日 築地
改訂 2000年 2月 3日 築地

多くのハンター達から、過去に何度も相談された事がありますが、20~30メートルの所にいる鹿を撃ったら、マグナムライフルなのに逃げられたとか。30-06なら止まるのにマグナムで撃つとだと逃げられると言う相談が幾度と無くありました。
これはマグナムライフルの場合、初速が早すぎて鹿の体内に衝突した瞬間、弾頭が破砕するのがその原因です。
ですから回収した鹿の弾頭をよく調べて見ると解りますが、1発で鹿が倒れなかった場合、銅のジャケットと鉛のコアーが完全に分離しているはずです、実はこれが殺傷力を極端に減少させている最大の原因なのです。
多くのハンターが誤解しているのですが、鹿の体内に弾頭が残留している場合、弾頭のエネルギーを100%消費したわけだから、一番破砕力が強いはずだと!
ところが現実にはそうなりません。ではその理由を説明しましょう。

一番わかりやすい例として、仮にごく至近距離に猪が出てきたとしましょう、Aの場合、スラッグで撃って弾頭は貫通したとします。かたや、Bの場合、雀撃ちに使う9号散弾よりももっと微細なダスト散弾を使って猪を撃ったとします、猪にすれば平手でひっぱたいたような物ですから。簡単に逆襲されてしまいます。しかし、この場合100%散弾は猪の体内に残留しているはずです、少なくとも貫通はしません、さあ、どちらの威力が強いでしょうか?

学校で教えられる事以外なら何でも知っていると言う貴方ならすでにお解りですね。

マグナムライフルを近距離で使うとこのような現象が起こると考えてください。
では学校で教えるように、もう少し論理的にご説明します。弾丸が獲物(人体も同じ)の体内を貫通するときどのような作用をするかと言いますと。弾丸が組織の細胞に衝突するとその細胞は弾丸よりも早いスピードで隣の細胞を破砕します。これは弾頭の質量と細胞の質量の違いです。これを実験で確認するにはアルミ板を標的にして弾丸で撃ち抜くと簡単に解ります、撃ち抜いた瞬間を高速度写真で撮影すると、弾頭の衝撃波と、飛散するアルミ板の破片の衝撃波は、明らかにアルミ板の方が早いのです。これは弾頭の質量とアルミ板の質量と比べると、アルミの比重が軽いのでスピードが早くなるのです。
ですから、弾頭が獲物の細胞に衝突した時、その細胞はまるでドミノ倒しの様に、隣の細胞、隣の細胞という風に、円錐状に破砕が進むのです。
ですからライフル銃で撃った穴の入り口は小さく、出口は大きいでしょう。
ライフルで撃った傷口はライフル銃は弾が回転しているから入り口が小さく、出口が大きいなんて解った様な事を言うベテランも居ますが、それは間違いです。
それが証拠に初速が遅ければ円錐状の破砕はその角度が浅くなります。
弾丸の初速が早いと円錐状の形状は角度が大きくなります、同じ回転数でです。
ですから破砕効果を持続するためには弾頭は出来るだけ内部で微細に破砕しないことが大切なのです。
180グレインの弾頭が体内に入り、体内から抜けた時も180グレインある方が破砕効果は強いと言う事です、体内で破砕した場合、弾頭は貫通できません。
理屈の上では弾頭のエネルギーは100%使われていますが、これはエネルギーが分散して有効に使われなかったと言うことを意味します。弾頭があまりにも微細に分解すると前進する力が無くなり、従って威力も無くなるのです。
従って、弾頭は貫通する事をもって一番威力を発揮できるのです。
ハンターの中には私と逆さまの理論を言っている人も居ますが、私の説が正解です!(キッパリ)弾頭が貫通すると言うと、軍用のフルメタルジャケットを想像される方も居られると思いますが、バーンズ弾頭は全体が純銅で出来ていますが、先端がホローポイントに成っているので完璧にエキスパンションします、バーンズ弾頭は初速1400フィートでエキスパアンションしますが、これは数ある猟用弾頭の中では一番低速でエキスパンションする弾頭です、実猟には最低でも1600フィート無いと威力不足で使い物にならないので弾頭のせいでエキスパンションしないと言うことはありません。
念のために言いますが、弾頭がエキスパンションして貫通することが、一番破砕力が強いのです。

数年前から私はバーンズ弾頭を輸入していますが、これは"近距離でマグナムライフルを使う可能性のあるハンターの為の"対策だったのです。これで金儲けしようと企んだ訳ではありません。
最近は尾白鷲の保護のため銅弾がにわかに注目を浴びていますが、なにもバーンズ弾頭が、わざわざ北海道の尾白鷲のために開発した訳ではありません。
勿論、私が尾白鷲のためにバーンズ弾頭を輸入しようとした訳ではありません。
私は、今説明したように、一部のハンターの為に輸入したので、これを大々的に当社のビジネスに組み込もうと考えた訳ではありません。

バーンズ弾頭は全体が純銅で出来ていますので、鉛の弾頭とするとライフリングに食い込む抵抗が大きくなります、したがって火薬の圧力は上がり、初速は早くなります。
当然弾着は変化します。弾頭を変えればデーターの取り直しをするのは、いわば"お約束"なのですが、一部のハンターの中にはデーター変更をしないまま使って、その結果弾着が変化したため、狙った所に当たらない、つまりバーンズは当たらないと言う結論を導き出した人も居たようで、頭をかかえます。
通常のジャケット弾頭は、ジャケットをプレスの絞り行程で作りますので外径の公差は2/1000程度で収まります、これ以上公差があると皺がよるか剪断しますので製品が出来上がれば自ずから寸法的には高精度で出来ることになるのです。
バーンズ弾頭は絞りで作っていませんので、ジャケット弾頭とすると公差は一桁大きいはずです。命中精度から言えば良いことではありませんが、ベンチレスト射撃みたいにミリ単位のグルーピングを競うのでなければ十分な実用性が有ります。 

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